196話:スタンドの決意 ページ19
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貴方の叫びが、有るかどうかわからない、私の心を痛め付けた。
泣かないで、苦しまないで
そう思っても、彼女に死に戻りを強制させているのは私の存在なのだ。
大丈夫、きっと大丈夫。
どれだけ失敗したって、貴方なら貴方の望む運命を手に入れられるはずです。
だって貴方は……未来で死に、過去へ帰還する者なのですから。
だから、お願い……
どうか……どうか頑張ってください…
私は貴方が願いを叶えられるよう、自身を保って、ループする力を途切れさせないようにできます。
だって、貴方は強く願ったもの。
どんなに苦しい未来が待ち受けていようとも、それさえ受け入れる覚悟がある人にしか、私の能力は発動しないんですよ。
貴方は、この死に戻りすら受け入れる覚悟を持つほど、彼らの生を願ったではありませんか。
私は、貴方を死に戻りから解放させてあげることはできません。
貴方は苦しむでしょう。絶望するかもしれません。
でも……
安心して。
これだけは、絶対にやめたりしないから……
だからせめて……
せめて、安心して死んでください。
何百回だって…何千回だって…貴方にチャンスをあげます。
今回、また上手く行かなくて再び死に戻ることになっても私だけは絶対に裏切りません。
私はいつだって、貴方の味方ですから。
貴方を見捨て、願いを無かったことになど…しませんから。
貴方が願いを叶えるその時までいつまでも側にいます。
それがたとえ、永遠だったとしても…
私は貴方との運命を受け入れます。
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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年10月18日 2時