188話:小さくしたアレ ページ11
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足音を立てないように走っていると、納骨堂へ降りる階段に辿り着いた。
地下から声が聞こえる。
ブ「スティッキー・フィンガーズッッ!!!!」
ブチャラティの声…!と思うのと同時に見ていた景色が少し変わり、私の目の前にはボスに腹部を貫かれたブチャラティの姿があった。
……まだ焦る時ではないと、ちゃんとわかっている。
『ダウン・W!!!』
風の斬撃を避けてボスがブチャラティから離れた。
即座にホルマジオが大きさを元に戻し、ジョルノがブチャラティを抱えて腹の傷を治す。
ホルマジオはトリッシュを抱え、私は先程小さくしてもらって持ってきたある物──────小麦粉を宙に撒いた。
ダウン・Wの風で納骨堂の隅々まで粉を舞わせる。
おかけで辺りは真っ白だ。
私達がボスの姿を確認できないように、ボスも私達の位置がわからない。
『ブチャラティ。ジッパーを着けて、上まで上がるよ』
彼が付けたジッパーでなんとか全員上まで上がれた。
すぐ、ジョルノをボートに戻らせて待機中の皆をこちらに呼ばせる。
そしてホルマジオも再び小さくなってもらい、髪に隠した。
私はボスのいる下を見下ろした。
『ボス…………スタンドを使おうっていうなら、それは間違った判断だよ。
別に賢くなくったってわかるわよね……今その場所に、この着火したマッチを落とせばどうなるか…』
時を飛ばさなければ私達を逃がすことになる。
飛ばせば、自身が爆発に巻き込まれることとなる。
…どっちにしろ、ここは粉塵爆発を起こすけど。
何の動きも無いことを確認して私はマッチを下に落として出口へと走った。
ジョルノに連れられたトリッシュとブチャラティに驚いたんだろうな、だいぶ遅かったがボートに待機していた皆とも合流。
その瞬間後方で大きな爆発が起こった。
困惑する皆は次々と私達に疑問を叫ぶが今は逃げることの方が大事。
ボスはこんな所では死なないからどうせ無事だろうが、ここで皆と合流しておけば今まで襲ってくることはなかった。今回もそうね。
逃げるために全員でボートに向かって走る。
走ってるせいで苦しさと胸の違和感が増してきた、
はぁ……疲れた……
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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年10月18日 2時