144話:父の運命 ページ7
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父「……」
私のお父さん。
私に目を向けることもなく通りすぎようとしている。
リカーラの運命を知っている母はやはり私を突き放した。
お父さんは私を突き放しただけでなく、この運命を私に押し付けた。
リカーラはリカーラの人間の運命を変えることはできないし、助ける気はないよ、お父さん。
残念ながらお母さんはお父さんの太陽じゃあない。
だから太陽を見つけられていないお父さんは死ぬしかない。
私はお父さんから目を離して手元の本を読み直す。
リカーラ家には数えきれないほどの書物が大量にある。
9割がリカーラ家の歴史や先祖の「呪い」の記録。
曖昧ではあるが記憶を辿ると、これは二月のスタンドだとわかった。
二月のスタンドはノトーリアス・BIGと同じタイプのスタンドだったらしく、二月が死んでも尚リカーラ家当主を記録し続けているらしい。
今までの人生でも家を出るまでの数年間、毎日少しずつこの本達を読んできた。
コレを読んでいたおかげで助かったこともあったから全部読んでおかなくちゃ。
……あ、本といえば、ディアボロ達と戦うのは2001年。
前回の人生で病院にいた時に読んでたあの本……「2001年の約束」も名前の通り2001年が最終舞台だったな。
あの本は何かと親近感がわく。
リカーラの運命に少しだけ似ている気がするし。
前回も読んだけどもう一回読んどこうかなぁ、まだ時間はたっぷりあるんだから。
『…おはよう、お父さん』
今の私は6歳。
お父さんが死ぬのは私の7歳の誕生日の日。
つまり……明日だ。
彼は自分が太陽と出会っていないことを知っているのに見つけようとしない。
それが妻を愛しているからなのかは分からないけど、理由がなんであろうと父は私にこの力を押し付けて死ぬのだ。
私も逃げたから責めることはできないけどね。
今回も変わりなく、父は己の
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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年7月27日 2時