174話:引き入れ ページ37
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ホ「話だぁ?」
『正確に言えば、取引』
ホ「お前と取引をしてオレに何のメリットがある?」
『メリットだらけよ!
私はあんたら暗殺者チームの目的を知っているわ。
あんた達はボスを裏切って麻薬ルートを乗っ取ろうとしているんだよね?
理由は、ボスからの冷遇に我慢の限界が来たから。
仲間に手を出され、それでトリッシュの情報を嗅ぎ付けて裏切りを決意した。そうでしょ』
ホ「……」
漏れるはずのない情報を私が知っていることに驚くはず。さすが暗殺専門のチームね、全く表情に出ないわ。
当たり前だけど悩んでるわね……もう一押し。
『ホルマジオ。
私に着いてきなさい。
そうすれば悪いことは起きないわ。成功すれば乗っ取れるのは麻薬ルートだけじゃあない、組織丸ごと乗っ取れる。
あんたのリーダーのリゾットを新しいボスにさせてあげることはできないけど、必ず冷遇なんてされないし、報酬だってちゃんと貰えるようになるわよ』
ホ「おいおいおい、お前らボスの命令で娘を護衛してんだろ??」
『今はそうよ。仲間の中には裏切ろうとしていることを知らない人もいる。私とジョルノは組織を乗っ取るために準備を進めてるわ。今はまだボスの命令で動いているけれど、でも必ず彼女を届けた先で行動を起こす』
ホ「…………オレだけの判断じゃあ決められねぇからよォ、うちのリーダーに話をしてもらいてぇな。
オレ個人の返事としては是非とも協力したいが」
『ありがとう。
それじゃあ連絡用の通信機を貸してくれる?持ってきてるでしょ?』
ホ「あー………それが…」
ホルマジオの視線の先には…
嘘……もう無理でしょこれ…!
『…爆発した、車の中…』
もうブドウ畑の隠れ家についての情報は話ちゃってるだろうし……だったら、
『…仕方ない。次に襲ってくるイルーゾォに同じ話をするわ。
貴方と話してリゾットと交渉するはずだったのに……正直イルーゾォとまともに交渉ができると思えないんだけど』
ホ「それはそうだが…………随分詳しいな…」
『……とりあえず着いてきて。まだ私達は信頼し合える仲じゃないから、あんたは仲間の所に帰せない。でも私の仲間の所に連れて行くのもダメだから……ここ。カチューシャっていう孤児院に居て』
ホ「孤児院?」
『そ。訳あって今は誰もいないから、あんたにはここで待機していてほしいの。あんたのリーダーと上手く話をつけたら知らせるから、それまで。
…でも、肝に銘じておいて、』
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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年7月27日 2時