検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:6,109 hit

153話:いやだ ページ16








中に戻る皆の後ろを着いていっていると、不意に袖を引っ張られた。


……?
ベリー?なんだかすごく不満げな表情だけど…。




『どうしたの?』


ベリー「……Aはさ……あの、ジョルノっていう男の子が好きなの?」


『ブッ…!?は、はぁ?なに、急に……』




ベリーはまた俯く。
あぁー、眉間のしわがさらに…
ちょ、ちょっとベリー…



ベリー「……私はやだ…。
Aがあの子のこと好きだったら…」


『…えぇ?何よ本当、どうしたの?』


ベリー「やだ、あの子はやだ…。
だってAにはリタがいるじゃん…!
リタがAを幸せにしてくれるよ…!」


『リタ…?なに言ってんの……私は皆好きだし、皆に幸せにしてもらってるよ。だって私達は家族でしょ?』


ベリー「そ、そうだけど…でも……ぅ…。
もういいっ!私お父さんのとこに…あっ……」


『……ベリーったらぁ!ふふふ』


ベリー「レ、レオのとこに行く!
みんなに言わないでよ!!
間違えちゃっただけだから!!!」


『…もぉ、可愛い子ね。
いいんじゃないの?
レオは実質私達のお父さんみたいなものじゃない』



顔を真っ赤にさせるこの子が可愛くて仕方ない。
私の言葉を聞いて少し嬉しそうに頷いたあと、彼女は走ってみんなの所に戻っていった。



はぁ……お父さん、ね。






母親がヒステリーを起こして叫ぶから言えなくなった言葉。
私の中で当たり前の如く禁じられるようになった、その言葉。
本物じゃあない偽物だけど、でもきっと…



───『お父さん』───



そう思ってた。信じてたのに。
私が初めてそう呼んだ時、レオは何も口にすることなくただ優しく抱き締めてくれた。
その暖かさに胸が苦しくなったのを覚えている。
……嬉しくて泣いたのはあれが初めてだった。



曖昧な記憶の中から、はっきりと、ほんの一部の記憶が蘇ってきた。これは……1回目の時だったな。






───『お父さん…っ……大好き、大好きだよ』───

───『ずっと一緒に居てね、レオ(お父さん)』───



















なのに。










酷いよ、レオ

154話:勝負の日→←152話:将来、私は



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
76人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年7月27日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。