2001に死者の帰還を (ページ2)

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139話:堕ちた聖人ページ2

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〈リカーラが他を救うのと同じように「太陽」はリカーラを救います。そういう関係なのです。
今までに25を過ぎても生き続けた当主はいます。その人達は皆「太陽」と生涯を共にしています〉

〈しかし、リカーラはただ太陽を見つければいいというわけではありません。
出会った上で「太陽」もリカーラを救おうと努力しなければ、短命である運命は変わらない〉

…そうか…
このまま太陽に出会わなければ私は25歳になる前に死ぬのね。

〈ええ、その通り。
では次は私の能力と一月について話しましょう〉

いやいやいやいや、その太陽について知りたいんだけど…？その人を見つけて協力してもらわなきゃ私あと１０年以内に死んじゃうんですけど…

〈まず…リカーラは元々他を救う一族ではありませんでした。
一月は心優しい人間でしたよ。周りの者には親切にし、困っている者は決して放っておかず、必ず助けていました。一月は言わずもがな人々から信頼を寄せられて慕われていたのです。
やがて一月は一人の女を愛し、結婚しました。
ですが……そんな一月をよく思わない人間もいました〉

〈一月に嫉妬して彼らは町中に悪い噂を流しました。
最初は誰も信じていなかったのですが……やがて彼らの行動はエスカレートしていったのです。一月を陥れるためならどんなことでもしましたから。
彼らの思惑通り最終的に村人達は一月に不信感を抱くようになってしまい、村全体からの冷遇が始まりました…。そして、ここから本当の悲劇が始まります〉

〈一月は愛していた妻を殺されてしまった、自分のいぬ間に。
一月は悲しみ、苦しみました、そして…
怒りに狂い、心に決めたのです……村人達を殺すことを。

たった数人の村人から始まった行動が聖人のように優しかった一月を変えてしまった。一月は怒りに任せて村人達を皆殺しにしてしまったのです〉