35話 ページ36
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皆は吹雪が頭を下げたのを見詰めると、続けて吹雪は口を開いて言葉を紡いだ。
吹雪「キミたちの力が必要なんだ。
革命の風を起こしている、キミたちの力が!」
A「私からもお願いします!」
Aは一歩前に出ると同じように頭を下げ、皆の視線はAと集まる。
吹雪「Aちゃん…」
A「白恋サッカー部は、私の大切な仲間なの…だから、っ」
Aは声を震わせながら述べると、神童が「…A、顔を上げてくれ」と述べる。
顔を上げると皆は真剣な顔をしており、神童は頷いた。
神童「俺たち、やります。
必ず勝って、白恋中を解放します!」
吹雪「ありがとう、皆! だけど…。」
円堂「まだ何かあるんだな、吹雪」
俯く吹雪を見て鬼道が問い掛けると、吹雪は小さく頷く。
吹雪「今の雷門では恐らく、白恋中に勝つのは難しい。あの"絶対障壁"を破らない限り…。」
天馬「絶対障壁…?」
この後ミーティングルームで、吹雪の言う"絶対障壁"と、絶対障壁を破る作戦を伝えた。
絶対障壁とは、中央に選手たちを集中的に配置することで極限までディフェンス力を高めた必殺タクティクス。
そのタクティクスは両サイドが手薄になり、左右から攻め上がることが出来れば絶対障壁を破ることが出来るという。
そうと決まれば、天馬と剣城を中心としてサッカーグラウンドで練習が始まった。
だが中々上手く行かず、天馬は何回もラインの外に出てしまう。
天馬「難しいな、このタクティクス…」
A「天馬なら出来るよ」
天馬「A…」
優しく天馬の肩をトントンと叩くAを見ては、Aはニコッと微笑む。
A「私もちゃんとサポートするから」
天馬「…うん! 頑張るよ!!」
天馬はにぱっと微笑むと、Aも微笑み返してタクティクスを完成をする為に続けて練習した。
皆の練習を、観客席から吹雪と円堂と鬼道が眺めていた。
吹雪「変わらないね、雷門は。円堂くん、僕に出来ることがあったら何でも言ってほしい。
僕も協力したいんだ、皆が起こしている、革命の風に。」
鬼道「吹雪…」
円堂「ああ!」
鬼道と円堂は微笑むと、頷いて返事をした。
吹雪も微笑めば、練習をしているAへと視線を向けた。
吹雪「(…雷門に来て、変わったね。Aちゃんは。…前より、明るくなった気がするよ。)」
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作者名:りはる | 作成日時:2020年4月1日 2時