30話 ページ31
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剣城「"ロストエンジェル"!!」
兵頭「"ギガンティックボム"!!」
二人は化身をぶつけ合ってゴールを決める、決めさせないと粘る。
剣城のシュートが段々と押し込むと、"行け!ランスロット!!"と叫び一気にボールはゴールへと突き刺さり長い笛が鳴り響いた。
2対3、雷門中の勝利だ。
信助「やった! やったぁ!!」
A「勝った…!」
信助はその場でぴょんぴょんと跳ね、Aは嬉しそうに「3」と書かれたスコアボードを見て勝利に喜んでいた。
南沢「っ、負けた…」
近藤「顔を上げろ!」
月山国光が敗れて悔しさに俯いていると近藤が大きな声を掛け、皆の視線は近藤へ集まった。
近藤「確かに試合には負けた。だがお前たちは全力を出し切った。お前たちは今日、初めてサッカーと向き合ったんだ、ボールに全てをぶつけることによって。」
南沢「(全て…。…!)」
南沢は一人で戦っていた時を思い出す。勝つことしか考えず無我夢中にプレーをしていて気が付かなかったが、近藤の言葉に気付かされた。
南沢は近藤を見た後、振り向いて神童へと歩み寄った。
南沢「……今頃、気付くなんてな。」
神童「えっ…」
南沢「…神童、ようやくわかったよ。お前達がやろうとしていた事が。」
神童「南沢さん…」
二人が見つめ合った後、南沢は天馬に視線を移す。天馬は思わずぴくりと肩を揺らして小さく驚きながらも南沢を見詰めると、南沢は柔らかに微笑んだ。
南沢「次も頑張れよ。…天馬」
天馬「…! はい!」
神童「南沢さん!
南沢さんは月山国光にとって必要な存在かもしれません。
でも俺たちは、皆いつでも待ってますから!」
神童の言葉に、周りの皆は頷いた。
南沢は驚きながらも笑みを浮かべて、"ありがとう"と答えた。
すると南沢はAへと視線を移すと歩み寄った。
A「…?」
Aは小さく小首を傾げると、南沢はAの右手を取り優しく握った。
南沢「白星Aだったな、キミの技は凄かった。俺のシュートを止め、更にシュートを決めるなんてな。」
A「あ、あはは…ありがとうございます」
南沢「本当は俺達が勝ったらこっちに来てもらおうとしたけど…悔しい。」
A「そ、そう、ですか…っ」
南沢は愛しそうな目でつらりと言葉を並べるため、Aは思わず困惑して苦笑いを浮かべた。
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作者名:りはる | 作成日時:2020年4月1日 2時