2話 ページ3
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葵「だ…大丈夫です！ありがとうございます！」
Aの声にハッと我に返った葵は何とか落ち着きを取り戻した所で、Aに礼を述べた。
怪我も何もなく安心したAは口元をゆるりと緩めて葵に向かって微笑む。
微笑みを見た葵は少し頬を赤らめていた。
「葵ごめん！大丈夫だった！？」
ボールを葵たちに向けて蹴ってしまった本人だろうか、茶髪で翼のような髪型をしている少年が慌てて葵へと駆け寄ってきた。
葵は"大丈夫！"と答えると、少年は"良かったぁ…！"と安堵して胸を撫で下ろした。
「葵を助けてくれてありがとうございます…！あっ、そうだ、あのシュート！元イナズマジャパンの吹雪士郎さんのシュート技ですよね！？」
少年はAに向かって頭をバッと下げた後、思い出したように顔を上げると先程のシュートについて興奮気味でAに問い掛けていた。
Aは少し驚いてキョトンとした表情を浮かべた後、クスッと小さく笑ってしまう。
可笑しなこと言ったかな？と少年もキョトンとした表情でAを見詰めた。
A「ふふっ…ごめんね、あまりにもキミが私の知り合いに凄く似てたから。彼女を助けたのは当然の事よ。そして技は勿論、吹雪さんのエターナルブリザードよ」
「やっぱり！吹雪さんのエターナルブリザードだ！」
少年は自分の事のように嬉しそうに喜んでいた。
するとサッカー部の皆、監督とコーチ、マネージャー達がAの元へと集まる。
そこで監督である「円堂守」が口を開いた。
円堂「お前が吹雪の言っていた、"白星A"だな？」
A「はい、白星Aです。」
「白星A……ってまさか！」
円堂がAの名前を口にして確認を取ると、Aは頷いて答える。
Aを聞いた少年が少し不思議そうに名前をオウム返しをすると思い出したように声を上げ、皆が声を揃えて述べる。
「「白恋中の唯一女子選手、白星A！？」」
A「そうです、白恋中の白星Aです。そして、雷門中サッカー部の入部希望ですッ」
ニコッと可愛らしい笑顔を浮かべながら述べたAの発言を聞いたサッカー部の皆は、
"ええぇーーッ！？"と大きな叫びを上げて、その叫び声は雷門中に響き渡った…。
「ら…雷門中のサッカー部に入部希望！？」
茶髪の少年は驚きに、Aを見ながら口をパクパクさせている。
そんな少年を見たAは、楽しくなりそうだなとクスッと小さく笑った。
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
