1話 ページ2
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夏風がそっと吹き、緑の葉を揺らすある日のこと──。
サッカーを管理するフィフスセクターに逆らい、本当のサッカーを取り戻そうとする少年達が今。
雷門中にあるサッカーグラウンドで次の対戦相手との試合の為に、練習に励んでいた。
その練習をグラウンドの外から眺める黒髪の少女が一人居た。
少女は、そよ風の様にフィールドを駆け抜ける少年を目で追っていた。
A「──…"松風天馬"、彼が"
そうぽつりと呟いた黒髪の少女「白星 A」は、皆の練習風景をずっと見ていた。
するとベンチの方から青髪の少女が何やら、Aに向かって走ってくる。
「あの…サッカー部の入部希望者、とかですか?」
青髪の少女は小首をこてりと傾げながら、Aに問い掛けた。
どうやら、サッカー部の練習をずっと見ていた事が気になって声を掛けてくれたみたいだ。
A「うん、入部希望。だから練習を見ていたの。」
「そうなんですね!…あっ、良かったら一緒にベンチで見ませんか?見学はオッケーですから!」
A「そうなの?…じゃあ、見学しようかな。」
青髪の少女は嬉しそうにニコッと微笑んで、"こちらです!"とベンチの方へ案内をする。
Aがその少女に付いていこうとしたその時、
前から青髪の少女に向かって勢いよくボールが飛んで来た。
「危ない!葵!」
「きゃあっ!」
少年が慌てて少女の名前を叫ぶ。
だが少女は驚きのあまり身動きが取れずに、衝動が来るのを待ってしまう。
その時、Aは素早く葵の前に立ちボールを見詰めて力を込める事に集中し始める。
するとボールの威力が落ち、ボールの周りに冷気が集まる。
そしてそのボールに氷が張り、Aはゴールに向かって勢い良くシュートを放った。
A「──エターナルブリザードッ…!」
放ったシュートは綺麗な雪の結晶を散らし、ゴールキーパーの少年は止めることなくボールはゴールネットへと突き刺さる……が、ネットを突き破ってコロコロとゴールの外へと転がっていく。
そのシュートを見た皆は、驚きと突然の出来事に声を失い、グラウンドはシーン…と静まり返る。
A「…また破っちゃった」
破ってしまったネットを見ては申し訳ない気持ちと共に苦笑いを浮かべながらも、振り向いて葵へ声を掛けた。
A「怪我はない?」
これが、雷門の皆との出会いとなった────。
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作者名:りはる | 作成日時:2020年4月1日 2時