第47話 まっぴらごめんだ ページ48
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「まさか、善良な市民サマが吉原の人斬りだと分かり、危険も顧みず、足を斬りつけ、百華に捕まるように仕向けた、なんてうまい話ある訳ねェよな 」
「吉原の一般市民ならまず百華に通報するだろうな。自ら手を下すなど、まずない。
祭りの騒ぎもそうだった。わっちらが調べる前に犯人を見つけ、先回りされておる」
こんな写真の男どこにでもいる。一目見て人斬りだと分かるわけがねェ。調べない限りは。こんな悪人に自ら首を突っ込む物好きはそうそういないだろう。
何かそいつは知ってるのか? 吉原の住人か、あるいは外部の人物か。
「Aにこの事は? 」
「写真は見せたが、この男は知らないそうだ。全部は言えなかった。Aの不安を煽るだけだと思って」
「護衛は? 」
「頑なに断られた」
月詠も俺もため息をつく。
アイツはいつもそうだ。帰り道送ると言っても、もう暗いからと俺たちの事を心配して断る。自分のことは後回しで
「どんな事でもいい。Aに何かあれば教えてくれ」
「最初からそのつもりじゃ。でなきゃ話さん」
あの祭りの事件を思い出す。Aを見つけた時、その時まであった様々な悪い予感が砕け、心が軽くなったのを覚えている。
同時に近くにいながら、助けられなかった自分に嫌気がさした。もうAを危険に晒したくない。
店内に戻れば、待ってましたと言わんばかりにAが小さく手招きする。忙しいピークは過ぎたみたいだ。
『銀時さん、いつものいちごオレです』
「さんきゅ」
この笑顔を見れなくなるなんて、
まっぴらごめんだ。
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月夜の光(プロフ) - ありちゃんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです(;o;)もっと上手に表現できるように頑張ります!ありがとうございます! (2021年2月28日 15時) (レス) id: e8dd5af318 (このIDを非表示/違反報告)
ありちゃん(プロフ) - 月夜の光さんの神威が好きすぎて他の作品見れなくなりそうです!!キュンキュンします(^^)更新楽しみにしてます (2021年2月27日 20時) (レス) id: 15fe9d02c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2021年1月2日 22時