第22話 好み ページ23
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神楽ちゃんがみたら喜びそうな料理の数だ……
ワゴンに乗った大量のお料理を眺めていれば、
ウサギのように跳ねる彼女が容易に想像できて、
1人で小さく笑う。
『失礼致します』
存在感を出さないように小さな声で許可を得て、
襖を静かに開ける。
中は少し薄暗く、淡い暖色系の灯りが
怪しげな雰囲気を醸し出していた。
広めの部屋なのに、お客さんはど真ん中に2人だけ。
どうやら食いしん坊は手前の人のよう。
黒い服を着てるせいか、
綺麗に連なる三つ編みが真っ先に目に止まる。
奥の相手は姉様に注がれた酒を飲み干すと、
私の手に持っているワゴンを見て高らかに笑った。
「アハハ! そんなに
問いかけられた相手は食事に夢中でほとんど聞いてない。
見てるこっちがヒヤヒヤする光景だ。
やりとりを聞きながら、雅へワゴンを預ける。
「では、地球の女はどうですか?
気に入った者はいましたかな?
まぁ、貴殿のような色男なら、
もうすでに手をつけてても、
おかしくはないですがなぁ」
姉様たちの視線もその顔が良い色男に釘付け。
チラチラと眺め、
自分ではないかと期待してる様子が伝わってくる。
私のような従業員が聞いてはいけないような、
大人な会話。
雅から小さくお礼を言われ、気にしないでと表情だけで伝える。
すぐさま部屋を出ようと早足に襖に手をかけた時。
進めていた箸の音が止む。
「そうですねぇ。
……俺の好みはあんな感じですかね」
襖を閉める直前に全員の視線が自分に注がれてるのに気づく。
『えっ』
そんな注目されている緊張よりも、
視界の中にとらえた人物に目が離せない。
『どうして、ここに……』
私の事を会話に出した本人に視線を注げば、
ニコリと貼り付けた笑顔を返された。
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月夜の光(プロフ) - ありちゃんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです(;o;)もっと上手に表現できるように頑張ります!ありがとうございます! (2021年2月28日 15時) (レス) id: e8dd5af318 (このIDを非表示/違反報告)
ありちゃん(プロフ) - 月夜の光さんの神威が好きすぎて他の作品見れなくなりそうです!!キュンキュンします(^^)更新楽しみにしてます (2021年2月27日 20時) (レス) id: 15fe9d02c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2021年1月2日 22時