第12話 大事なお姫様 ページ13
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突然の声に驚き、
銀時さんと一緒に聞こえた方を振り向く。
そこには仁王立ちしてる神楽ちゃんの姿。
両手にはリンゴ飴にたこ焼き、チョコバナナなど
収まりきれないくらいの食べ物。
「げっ! 神楽なんでここに」
「新八が言ってたネ。吉原で祭りがあるって。
そよちゃんと来たアル」
そよちゃん?
不思議に思って神楽ちゃんの後ろをみると、
彼女に守られるようにして様子をみている女の子。
なぜか顔の周りを手ぬぐいで巻いている。
まるでひと昔前の泥棒のようだ。
どこかで見た事が……
「銀ちゃんさん、お久しぶりですね」
「おいぃぃ!
国の大事な姫さんこんな所に連れてくんな! 」
「女は知らぬ間に大人に成長してるものネ。
お前が見てるのが全てだと思うなヨ」
『神楽ちゃんの友達って……そよ姫?! 』
「A、声がでけぇ! 」
みんなが一斉に喋り出す。
一段と大声を出した私の口を、
銀時さんは焦ったように大きな手で塞いだ。
私は首を縦に振り、もう大声は出さないと目で訴える。
以前の吉原が外部から隔離されていたとはいえ、
その顔と名前、
どんな身分の方なのかくらい私でも知ってる。
『で、でもそよ姫様。
このような場所にあなたが来ていいのですか? 』
神楽ちゃんの友達だという事は、
話を聞いて理解した。
とは言っても、
第十四代 征夷大将軍 徳川茂々の実妹
そよ姫様に何かあっては神楽ちゃんどころか、
銀時さんもどうなるか分からない。
心配になり声をかけると、そよ姫様はニコッとした。
「堅苦しくしないで下さい、Aさん
今日は神楽ちゃんの友達としてここに来てます。
それに、私も兄のように自分の目で確かめたい。
江戸の人々はどんな生活をして、
今、どんな気持ちでいるのか。
どんな未来を望んでいるのか」
幼いながらも自分の立場と、使命を理解してる事に
驚きと感心の気持ちが混じる。
「どっかのポリ公に任せるより、
私といた方が安全アル! 」
そう言って笑い合う彼女たち。
「でも、やっぱり顔は隠した方がいいアルな」
「この手ぬぐいだけじゃ頼りないね」
聞けば顔を隠す為に買ったお面は、
この人混みで落としてしまったらしい。
ピコンと良い考えが思い浮かぶ。
持っているじゃないか私は。丁度良いお面を。
『では、これを使って下さい』
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月夜の光(プロフ) - ありちゃんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです(;o;)もっと上手に表現できるように頑張ります!ありがとうございます! (2021年2月28日 15時) (レス) id: e8dd5af318 (このIDを非表示/違反報告)
ありちゃん(プロフ) - 月夜の光さんの神威が好きすぎて他の作品見れなくなりそうです!!キュンキュンします(^^)更新楽しみにしてます (2021年2月27日 20時) (レス) id: 15fe9d02c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2021年1月2日 22時