【utit】活動再開した死にたがり屋さん【男主】

二十、はじめまして ページ20

モンドside



スマホの地図と目の前のくそデカイマンションを、何度も交互に見る。

どうやら、そらの家はここらしい。



「デカすぎだろ……金持ちかよ……」



なんて呟きながら、そらの部屋の番号を打つ。
すると程なくして、エントランスの扉が開いた。

そこからエレベーターに乗って、そらの部屋がある階で降りると、廊下にいた人と目が合う。



「あ、そら」


「お、きたきた」



どうやら、玄関の外まで出てきてくれていたようだ。

そらに促されて、部屋の中……リビングの方へ通される。

俺が入ると、白っぽい髪の俺と同じくらいの背の人がガバッと頭を下げてきた。
俺の横で、なぜかそらが笑いを堪えている。……え、どういう状況？

俺の混乱をよそに、白っぽい髪の人がオドオドとしながらも話し始めた。



「は、はじめまして！ まふまふと言います！ ぼ、僕、モンドさんのリスナーでして……あ、違う、これ言わなくて良いんだった……！ えと、あ、その……」



本格的にキョドり始めた、まふまふさん。

そらが、笑いを堪えながら助け船を出す。



「はいはい、こいつコミュ障だから許してやって。まふまふは、取り敢えず座って、落ち着け」





しばらくして、まふまふさんが落ち着いたのを見計らって、声を掛ける。



「……今更で悪いんですけど、まふまふさんって、そらとユニット組んでる方ですよね？」



流石に、こんな特徴のある声を忘れる訳がない。
歌声に比べて、地声は低いみたいだけど、声質は変わんないしね。

……まぁ、歌声とは少し、印象が違ったけどね。もっと身長低いと思ってた。しかもイケメンだし。
なんなんだよ、おい。


まぁ、思ってたより声低い、という考えは、次の瞬間に打ち砕かれる訳で……。



「わあぁぁぁぁあぁぁぁ!?」


「うるせぇよ、まふまふ」



同感だよ、そら。
声高いなぁ、おい。耳がキーンってした。



「わっ、すみません！ 名前呼ばれた上に知って下さっているという事実が衝撃的すぎましたね。はい。……あ、タメ口で大丈夫ですよ！ まふまふさんだと長いので、まふ、とでも呼んで下さい！」



途中、早口すぎて何言ってるのか分からなかったが、取り敢えず“まふくん”と呼ぶことにした。

ーーｷﾘﾄﾘーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2話で終わらせる予定だったのに、終わりませんでした(白目)

この日のお話、まだ続きます()

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