大好きな君が心配なんです【すとぷり】

3.インフルエンザ(ななジェル) ページ8

※冬設定

やっと仕事が終わり、いつもより重い体を引きずるようにして駅まで歩き、電車に乗った。

今日は1日中体が怠く重かった。そのせいか、普段なら絶対にしないようなミスを連発してしまい上司に何度も怒られた。

本当は早退したくて堪らなかったけど、今は生憎会社全体が忙しい時期でそんなことは言い出せない雰囲気だし、第一、社会人たるもの少しのことで弱音を吐くわけにはいかない(と思ってる)。

しかし、隣のデスクの優しい女性の先輩が私の体調不良に気づいてくれて、任されていた仕事を手伝ってくれたので、定時は過ぎてしまったものの最近で一番早く帰宅することができた。


(今日は帰ったらすぐ寝よう…)


電車を降りて道を歩きながら考えていたら駅から近い自宅にはすぐに到着した。


『ただいま〜』

「あ、おかえり〜！お疲れさま」


玄関を開けたらパタパタと足音が聞こえて、なーくんが出迎えてくれた。


『なーくんごめん。今日ちょっと疲れちゃってさ、ご飯いらないって伝えといてくれる？』

「…？わかったよ。ゆっくり休んでね」


すぐに自室へ向かって、入るとすぐにベッドへダイブした。着ているスーツを脱いで着替えちゃわないといけないのはわかっているけど、1度ベッドに沈んだ体は鉛のように重くてそのまま意識を手放してしまいそうになる。


ｶﾞﾁｬ


ドアが開く音がしてそちらに顔を向けると、なーくんが顔を覗かせていた。


『なーくん？』

「あ、勝手に入ってごめんね。何かA様子おかしかったから見に来たんだけど……」


するとなーくんが近づいてきて、ちょっとごめんね。と言って私の首の後ろを触った。ひんやり冷たいなーくんの手が気持ちいい。


「うわあっつ！？これ相当熱あるね。ちょっと待っててね」


なーくんが部屋から出ていったのを見て、体が限界を迎えたのかそこで意識は途絶えた。

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ーななもり。sideー

最近は忙しいのか、毎日俺より帰りが遅いAが帰ってきたのを出迎えると、顔色が凄く悪かった。ご飯はいらないと言って部屋へと歩いていった彼女は少しふらふらしているようにも見え、部屋に様子を見に行った。

首を触ると凄く熱くて驚いた。恐らく39℃近くある気がする。


朝出ていった時も何となく顔色が良くない気がしたが、Aは朝が弱いので顔色が悪いことがたまにある。だから特に気にしなかった。


(仕事休ませれば良かった…)



後悔しても仕方ない。とりあえず急いで体温計を取りに行こう。

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