守りたい背中【男主】 (ページ20)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:123,818 hit

必要な存在ページ20

【将洋side】

今日のミニゲームは俺たちのチームの勝利で終わった。

結構全力で戦って、このギリギリの勝負なのだから
あの末っ子2人は末恐ろしい。

仲良さげに話す例の2人をチラリと見つつ
隣に座る祐希と2人反省会。

「ギリギリだったな…」

率直な気持ちを呟くと

「めちゃくちゃ楽しかった！」

と清々しい表情で返事が返ってきた。

まあ、楽しかったのは否定しない。

本当に1点が1球が重く感じられて
1秒でも気を抜いてはいけない、
そう思えるほど熱中できるゲームだった。

「しかし…ちーは流石だよね」

そう言いながら祐希が見つめる先には
有志と楽しそうにじゃれ合う、ちーがいた。

流石だけど…

「あれほどダメって注意してるのに！」

俺の口からまた説教じみた言葉が出てくる。

「公式戦で打っちゃったらどうすんの」

俺がそう言うと、祐希はぶふっと吹き出して
「ちーはそこまで馬鹿じゃないよ」
と言った。

その後、真剣な顔つきに変わって

「ちーがWSだったら…」

と小さく呟いて、最後まで言い切らずに口を閉ざした。

それは叶わぬ願いだとわかっているから。

ちーは172センチと背が低いこともあるが
俺たちはそれだけで、ちーがWSになれることを
否定しているわけではない。

むしろちーには、その身長をカバーできる程の
類まれな実力・才能があると思っている。