マレウス・ドラコニアは狙った獲物は逃がさない

19話 ページ19

A「私また何かしちゃった…？」

そういうとため息をつかれた、最近マレウスにため息しかつかれていない気がする


マレウス「わからないのか？」


私の目をしっかり見て言う


A「わ、かりません…」

そう答える私に対してマレウスは少し眉を顰め、横を向いてしまう。



マレウス「本当にお前は僕を見ていないんだな…」




また、このセリフだ。
見ていないとはどういうことなんだろう？私はマレウスをしっかり見ているし、大切な友達と思っている。何を見ていないのだろうか…。



マレウス「本人が気づかないのなら、周りからわからせるしかないな」



ぼっそとそう呟いているマレウスの横がをはいつもの知っている顔とは違う
なんだか少し怖く感じた。


マレウス「A…」



(んん！？名前呼び！？初めてじゃない！？)



内心大はしゃぎの私を他よそに、マジフト大会と同じように私の顔を固定して目を合わせてくる。

マレウスの宝石のような翡翠色の瞳が私を捕らえて離さない

あの時と同じように目を逸らせない、身体動かない。怖い。



マレウス「少し震えているな…」
A「え…、あ…。」



カタカタと震える私の頬をマレウスがなぞりながら微笑む
この世のものと思えないぐらい美しい。何故か頭がよく回らない




マレウス「最初はこのぐらいだな…」


マレウスがそう呟いた瞬間、身体が動くようになる
さっきのは何だったんだろう、マジフト大会の時といい、これをしてくるときのマレウスは苦手だ。

私の知っているマレウスとは別人に感じる。





マレウス「まだ少し混乱しているか…？」
A「っ、え、あ、大丈夫。」




少しずつ正気を取り戻してくる。



マレウスを見ると満足そうに微笑んでいる、機嫌が直ったらしい。


そうこうしていると寮の門限の時間が近づいてきていた




A「あっ、もう帰らないと！それじゃあ良い休日を！！」





そう言い残し、急いで寮へ向かった。

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