マレウス・ドラコニアは狙った獲物は逃がさない

13話 ページ13

会場入りはまだかとソワソワしていると、突然周りが騒めきだす。

状況を把握するため、あたりを見渡すと、会場入りする選手達が近くで控えているらしい。


もしかして、と思いディアソムニア寮の集団であろうところを探す。





(………いたッ！)





やはり彼は他の選手より頭一つ分抜けているから見つけやすい。





(うわぁ〜〜、声かけたいけどこの距離じゃ無理だな…)






諦めよう、そう思った時バッチリとマレウスと目があった。



すると、ズンズンと野次馬を跳ね除け近づいてくる。




(えっ、えっ、なに、なに、なに！？)



マレウス「よく来たな」




あっという間に私のところに着き、マレウスが問いかける。



その瞬間一気に周りの目線がこちらに向く。



目線が痛いッ！！痛すぎるッ！！！



A「えっ、あっ、…」

なにを言ようか迷っていたところ


ソフィア「おはようございます、マレウス様。今日の大会、精一杯応援しますわ」



と隣にいたソフィアさんが答えた。







(あっ、なるほど自分の婚約者が見えたからこっちに向かってきたのか。そりゃそうだ、こんな可愛い婚約者が見えたら一目散に向かいますよね)




なぜこちらにマレウスが向かってきたのか納得できた私は邪魔してはいけないと思い

後ろに下がろうと動く。







しかし後ろに行こうとした私の手をグイッと引っ張られた。

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