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「遅いぞ。」
『すみません。』
集合時間ちょうどに来たら遅刻なのか？
いつにも増してウザったい上司に睨みをきかせた。
その後長ったらしい作戦を聞かされ、それぞれの配置につかされた。
もちろん私は言うまでもない最前線だ。
「期待してるぞ、A。」
『ありがたいお言葉。』
思ってもない言葉が次々と口から出ていく。
やっぱり感情を持たない方がずっと気楽だ。
そんなこと、言い訳でしかないけれど。
配置についてから数分後、作戦開始のベルが鳴る。
そんなうるさいサイレンの余韻を耳に残しながら、私は銃のレバーを引いた。
いつでも発射できるところにノコノコとやってきた敵軍。
その姿を捉えた瞬間、私は銃を連射した。
次々と倒れていく人影。
目の前に広がるのは赤黒い何か。
“何か”と表現したのは、これが私によって作られてしまったことを見ないため。
いつまで経っても私は逃げてばかりだ。
そんな自分に嫌気がさしながらもこの逃避に安心している自分がいる。
私は今日も溜息をつきながら人を殺める。
こんな生活したかったわけではない。
でもこんな身分の低い私を必要としてくれるのはこんな薄汚れた世界しかないのだ。
そんなこと大いにわかってる。
分かってるけど…。
一番嫌なのはこの仕事のあと、あの暖かい空間に帰ることだった。
私の手は汚れているのにそれを洗い流してくれる聖水のような彼ら。
清い彼らに私なんかが触れていいはずがない。
ましてや近づくのすら躊躇うべきなのに…。
どうして私を疑わないの？
最初は警戒心MAXだったくせに。
いっそ私のことを罵ってくれたらどんなに気が楽になるか。
ひどく澄んだそのふたつ目で下賎な私を見てくれたら…。
いや、これも逃避の一部でしかない。
ねぇ、神様。
私はどうしたら────────────
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きなこもち(プロフ) - ひぃさん» ありがとうございます！更新頑張りますヽ(´▽｀)/ (2021年5月29日 6時) (
レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 出てくるメンバーが可愛いくて、でも真面目？な雰囲気の話もあって、めっちゃ面白いです…！続きの更新が楽しみです！ (2021年5月28日 18時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年5月4日 10時
