イタリア人は意地悪 ページ22
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『何って、...キス未遂?』
「うわ〜 やらし〜A〜」
『うーざーいー』
「そう言えば結局してないよね、てつや達はした?」
『うん、え、あ』
無意識に返事をした後に気付く。りょうくんが手の甲を口に当てて 笑った。この人は意地悪だから余計な情報を与えちゃいけないのだ
机の上にはいつの間にか空になったビール缶。いつも皆で飲んでいる時よりもりょうくんの顔が赤い。...完全に酔っ払っている
「キスしていい?」
突然のりょうくんのその言葉に 口に含んだばかりの梅酒を吹き出しそうになった そんな私を見て、また笑う
「だっててつや達はしたんでしょ」
『あれは、半ば強引というか、』
「ズルい」
「強引にされたんだよ」と言い切る前に フローリングに座っていたりょうくんは私が座っていたソファーの隣に座った。
りょうくんは皆で飲んでいる時も 酔ってくると突拍子も無い事をし始める。私も二人きりで飲む事は多くないから他のメンバーはもっとりょうくんのお酒の失敗談を知っているはず。
「ねえ、こっち向いてよ」
聞き覚えのある言葉だった、あのキス未遂事件の時と同じ言葉。だけど酔っているせいか普段より低いりょうくんの声に驚く。
そのままソファーに押し倒された。目の前には赤い顔をしたりょうくん、背中には深い緑のソファー。家具屋に入って1番最初に気に入った、ソファー。
『悪酔いしすぎだよ、りょうくん』
「...なんでそんな余裕なの」
『りょうくんこそ、』
りょうくんの顔が近づいてくる キスされる、そう思って反射的に目を瞑った
だけど、意外にもりょうくんの唇が触れたのは 首筋
「なに、期待した?」
『、馬鹿じゃないの』
「流石に了承を得ずにするのもズルいかなって」
こういう所で紳士な部分を出してくるのも良く分からない。てつやもとしみつも 了承無しに唐突にして来たのに、やっぱりイタリア人は違う
そのまま ごめんね、とりょうくんは私の上から退いて 腕を引いてくれた。「あんまりからかわないでよ」と言うと、乾いた笑いで誤魔化された。
・
「じゃあね〜おやすみ〜」
『気をつけて』
さっきよりは落ち着いたがまだ酔っているりょうくんに家まで送るよ、と言うと女に送られるとかダサすぎ、と言ってタクシーを呼んでいた。
りょうくんがタクシーに乗り込んだところを玄関から見届けて扉を閉める。
そして明日は緊張の日
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まりこ - 移行まだですかー!笑笑 ずっとまってます… (2019年3月12日 2時) (レス) id: 433cc2ff51 (このIDを非表示/違反報告)
タルヒ(プロフ) - このゆったりとした雰囲気すごく好きです!主人公が謙虚なのも好感!更新楽しみです。頑張って下さい! (2018年12月23日 10時) (レス) id: d9b43e6eea (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - コメント失礼します!続編ありがとうございます!とても楽しみにしてました^ ^ (2018年12月9日 0時) (レス) id: 3c35cfd113 (このIDを非表示/違反報告)
みずれ - コメント失礼します!いつも楽しく読ませていただいています。そして、あっていたらすみませんが、「私たちの高校時代」のお話で、てつやの元カレになってしまっています。m(__)mあっていたらすみません!これからも更新楽しみにしています! (2018年9月30日 12時) (レス) id: a68df7c0fe (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 初コメ失礼します!とても面白くきつもキュンキュンさせてもらっています!(小並感)これからも更新楽しみに待っています! (2018年8月28日 17時) (レス) id: 07dc2dc5de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぁちゃる | 作成日時:2018年7月20日 23時