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私たちはそれからたわいもない会話をして、それぞれ登校した。
私は自分のクラスの教室に向かった。
そして自分の席に座って、授業を受ける。それだけだ。私は目立とうとしてるわけじゃないが、目立たないようにしてるわけでもない。
友達もいないわけでもないし、その人たちに心を開いてないわけじゃない。
私は夢主らしからぬ普通の生活をしているのだ。
「ねえ、A。聞いた?」
私の肩を後ろから叩くのは、小学校からのAの友達の栗原早苗。
『何を?』
「あのね、」
早苗は妙に溜めて話す。それでも喜びが隠しきれていない。なにがあったんだろ。
「今日、転校生が来るんだってよ。」
えっ。
「それは……どっち?」
私がそう聞くと早苗はニヤッとして、とっても嬉しそうな顔で言った。
「お・と・こ♡」
「…………。」
早苗は私の肩に両手を置いて、ブンブン揺さぶる。
「えぇぇーそんな顔しないでよーー。男いいじゃぁん!」
よくはない…。
私は机に両肘をついてうつむいた。
『小学校の頃は一緒に「ちょっと男子ぃー」って言ってたじゃないか……。』
私は変わってしまった友人をチラッと見上げる。それからはぁぁあー、と全ての酸素を出すようにため息をついた。
『なのに………。』
早苗は困ったような顔をして、私を説得にかかった。
「男子も成長してるんだよ?最近は垢抜けた奴も増えて行ったし!」
そういう問題か…?
私はジロッと早苗を見つめる。
「ま、まあ、あんたが小学校の時に接してきた男子じゃないんだから。ね?」
『私は知ってる。それで早苗は私を合コンに連れて行くんだ。』
私は他より24年間生きてきただけあって、小学校の時の男子たちのあのバカ丸出しな行動には全力で引いた。まあ女も男も関係ないってのは分かってんだけど…。
やっぱりなんか溝あるじゃない?男女って。
あ、言っとくけど男が嫌いなわけじゃないのよ?転校生が男ってので喜ぶ早苗が理解できないだけで。
次は早苗がはぁーとため息をつく。
「A…いつの間にこんなひねくれた性格になっちゃって…。とにかくね!その転校生が!男でイケメンらしいのよ!」
『イ、ケメン…………。』
私はその単語にまた顔を曇らせた。
[A爆発まで 12%]

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かっち(プロフ) - 夏さん» 具体的に言ってくれるの、めちゃくちゃ嬉しいです……!!モブくん、良いですよね…!テルくんとの関わりをきっかけにどんどん複雑になっていく所もあるので、これからも頑張りたいと思います!コメントありがとうございました。 (2023年3月5日 22時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
夏 - 色んなキャラとの関わりがあって凄く面白いです!!今まで姉設定の作品を読んでなかったんですけど、「これめっちゃ良い、え好きです」ってなりました。推しはモブくんなんですけど、テルくんとの関わりががなんかすっっごく好きです。これからも頑張ってください!! (2023年3月5日 21時) (レス) @page50 id: e81bb630ed (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - ルーさん» 最高の言葉ありがとうございます!見つけた時って……いやもう見つけてくれただけでこっちが嬉しすぎます(?) ルーさんが褒めてくださったので、やる気が出てきました!続き書いてきます!!コメントありがとうございましたぁぁぁーーー (2023年2月27日 22時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
ルー - 面白くて一気読みしました!こういう小説を探してたので、見つけた時めちゃくちゃ嬉しかったです!次の更新を楽しみにお待ちしております(*^^*) (2023年2月27日 21時) (レス) @page45 id: 3840c69267 (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - ゆさん» めっっちゃ嬉しいです…!!更新忘れたり迷惑かけることもあると思いますが、どうか最後まで見届けてくれると嬉しいです。コメントありがとうございます!! (2023年1月25日 19時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっち | 作成日時:2022年12月8日 15時