３８９ ページ12
1分1秒も惜しい。
というわけで再び歩き出す。
目指すは索敵装置システムだ。
｢基地内の敵の数が想定していたより大幅に少ないな。
雲雀が囮になっている効果は絶大なようだ｣
確かに、先程のデンドロとの戦い以外、私たちは戦闘をしていない。
もちろん奇襲などに備えてみんな警戒しながら進んでいるけれど、敵の気配はほとんど感じない。
｢そんなに多くの敵が……雲雀さんひとりで大丈夫かな｣
｢……雲雀｣
原作通りに進んでいるとはいえ、心配なものは心配だ。
こんな時ばかり都合良いな、と苦笑しつつ首筋に手を当てた。
｢心配いらん！
いまだかつてヤツが死んでいるところは見たことがないからな！｣
そう言って何故か私の背を叩く笹川。
痛い。
｢どんな理屈だ！｣
ツッコンでくれてありがと獄寺、私も同意するよ、切実に。
彼ら騒ぎ始めたのを見て、ラルが｢図面を確認しろ！｣と怒る。
いや、私はもう覚えたのだけれど。
原作ではなくてもアニメを知っているだけで随分楽だ、皮肉にも。
アニメの方しか詳しく知らないとはいえ、この後いくつフロアが動いて変形するかなんて予測は容易い。
｢この階はやたらと例の黒い部屋が多いのだったな｣
｢この壁の奥がまさにそうっスね｣
と、獄寺が通気口にカビが生えているのを発見した。
｢なんかヤバイ植物でも栽培してんのか？｣
｢もしくはゴミ溜めかだな｣
｢……死体も時が経って湿気の多いところで腐ると、カビが生えるって聞いたことある｣
｢ひいいい！？
こ、ここわいこと言わないでよAちゃん！！｣
｢信じるも信じないもあなた次第(*•̀ •́)｣
｢てめーが言うと冗談に聞こえねぇんだよ、天然病弱女！｣
酷い、空気にならないために言ってみただけなのにまた叩かれた。
おまけに地味に呼び名が進化した。
……事実だからぐうの音も出ない。
あ、本当になるかは私も知らない。
｢詮索は後回しだ。
警備システムの破壊が優先だ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 528人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茨の谷の第二王子 - 失礼します。作者様のオリジナルのクラウディオが好きになりました。この作品もとても好きです！では失礼しました。 (2022年4月10日 23時) (
レス) @page40 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
いよかん(プロフ) - はじめまして。コメント失礼させていただきます！楽しく初めから拝見させていただいています。とても面白いので、この先の編集も頑張ってください！続きが楽しみです！ (2019年12月31日 0時) (レス) id: d78091d13b (このIDを非表示/違反報告)
ヴァリニャー(プロフ) - 睡さん» 大丈夫です。気長に待っています！ (2019年11月30日 22時) (レス) id: b91bae42af (このIDを非表示/違反報告)
睡(プロフ) - ヴァリニャーさん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。現在話の一部を編集し直しているので、非公開にしています。ずっとこのままにしておく訳にはいかないと思ってますので、編集が終わり次第直ぐに非公開を解除します。ご迷惑をお掛けします。 (2019年11月30日 2時) (レス) id: f30aba68fb (このIDを非表示/違反報告)
ヴァリニャー(プロフ) - コメント失礼します。話が未公開になっていると思うのですが、作り直し中とかでしょうか？ (2019年8月26日 5時) (レス) id: b91bae42af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：睡 | 作成日時：2017年10月10日 10時
