19.不安定【you】 ページ19
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怖かった。
ヘアメイクから戻ってきた私が見た3人。
何かを奪われそうな感覚が襲ってきて。
二人といとも簡単に距離を縮めるテヒョン先輩。
テヒョン先輩を警戒せず気に入るオンニ達。
どちらが怖かったのかは分からない。
JA「A、どうした？体調悪い？」
「…あ、大丈夫です、何ともないです。」
YR「なんかあったら言ってね？」
「はい」
二人に話しかけられて、意識が変なところに行ってたことに気付く。
今はパフォーマンスに集中しなきゃいけないのに。
スタッフに声をかけられ、ステージに立つ。
慣れたダンスに、加えるアレンジ。
リハ通りのカメラワーク。
ペンライトの隙間に見える観客の顔。
他のアイドルグループやアーティスト達。
二人と頑張って、見えてきたもの。
"私達はシャンパンを開けて乾杯するわ"
"本物の振る舞いを見せてあげる"
"もう昔の私じゃないの"
"忘れられない世界を私が作るわ"
自分で書いた歌詞なのに、
感情が入ってないのが自分でも分かった。
最後に、背中に聞こえる歓声の中、
バレないように唇を噛んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
JA「A」
YR「…」
「…？」
収録が終わると、楽屋でオンニに呼ばれて、そちらを見る。
二人が心配そうな顔をしていた。
JA「無理しないでよ？」
「…何も無理してないですよ」
YR「本当に？言ってくれれば、スケジュールも見直せばいいんだからね？」
「大丈夫です」
JA「そういう風には見え」
「大丈夫です！そう見られてると思うと逆に気を遣います…！」
二人に初めて声を荒げた。
驚いてる二人。
自分自身も驚いて、何も言えなかった。
TH「ヤー、二人にそんな言い方しなくても」
…なんで、また、ここに
TH「二人はAのこと心配しただけでしょ？」
「…テヒョン先輩には関係ありません！何度も楽屋に来ないでください！」
分かってる。
分かってることを改めて言われて、
自分の情緒に嫌気がさして、楽屋を飛び出した。
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
また、歌詞は洋楽からお借りしました！
Akubi
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作者名：Akubi | 作成日時：2022年6月30日 17時
