同じクラスの男の子 ページ5
_ふと、千冬くんと出会った時のことを思い出していた
あれから夏休み中は、部活や遊びなどの用事がないとあの場所に向かっていた
会う度にちょっとずつ会話を広げて、私たちは友達と呼べる関係になった
「A、何ぼーっとしてんの」
そんなことを考えていると、一虎くんが声をかけてきた
右手には購買で買ったのか、パンが2つ。
今年の夏休みはあっという間に去り、9月になった。もう、秋も間近だ
「中庭いこ」
「うん！」
慌てて机の横にかけていたランチバッグを取って、一虎くんのあとを追いかける。
▫
中庭には穴場スポットがある
この夏にはぴったりな、日差しを遮ってくれる所だ。
非常階段のすぐ横にあるから、みんな知らないし使わない
そこに2人で腰をかけてランチを食べ始める
「今日、他の子と食べなくてよかったの？」
「いーんだよ。つか、Aが一緒に食べる相手いねーから可哀想だなって」
「…ちょっと！友達くらいいるし」
はは、と一虎くんが笑う
実を言うと一虎くんは一個上の先輩だ。けれどまあ、諸事情で同じ学年なのだ
つまりはそう、この男、留年している
それを教えたのは今のところ私にだけらしい
席が近いこともあって、話すうちにそんな秘密を教えてくれるまで仲良くなった
「そんなこといって、一虎くんが私と一緒に食べたいだけでしょ」
冗談めかしてそう言った
一虎くんはにこりともせずに、2個目の焼きそばパンを手に取ってひと口かじる。
私がプチトマトを口に放り込む瞬間、一虎くんがこちらを見た
「せーかい」
と、彼は悪戯っぽく笑って言い放つ
甘く微笑む一虎くん。まだ微かに幼さを残したままの目と、バチッと目が合う
ん？と違和感を感じて喉に手を当てる
「……ッゲボｯｯ！げほッ…うがっ！」
仰天してプチトマトを噛むことを忘れてた
苦しくなって思いっきり咳き込む。え、と一虎くんが傍で動揺する
1、2分くらい苦しみと葛藤していると、急にトマトはストンと落ちていった
はぁ、はぁと息を整えたあとに一虎くんをキッと睨む。
「急に驚かせるようなこと言わないでよ、もう！」
「…ごめん、」
反省しているような顔をして一虎くんは押し黙った。
一虎くんがかっこいいなんて重々承知だ。
あんなこと言われたら驚きもするし、今ドキドキしているのも事実だった
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はちみつぷーさん(プロフ) - Miyumiyuさん» 初コメ嬉しいい･･･！ありがとうございます、モチベ上がりました！頑張ります！ (2022年4月8日 15時) (
レス) @page1 id: 602bf9e950 (このIDを非表示/違反報告)
Miyumiyu - めっちゃ面白いいいいいいい！千冬可愛いですねえ！更新楽しみにしてます＾＾ (2022年4月8日 14時) (レス) @page8 id: d2d5035906 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちみつぷーさん | 作成日時：2022年4月7日 18時
