ひとり ページ20
「A！」
2人で並んで歩いていたとき、後ろからAさんの名前が呼ばれた。
俺たちは立ち止まり、後ろを振り向く。
「一虎くん…！」
「……」
一虎君に駆け寄っていくAさんの後を、俺は渋々ついて行く。
目が合った途端冷たく鋭い視線で睨まれた。
「どこにいたんスかあんt…一虎くん」
「本当だよ、突然居なくなって」
荒くなる言葉をちゃんと正して聞いてみる
「…別に。お前に教える義理ねぇだろ」
「別に俺も聞きたくないっスけどね」
「…え何この空気…」
ピリついた空気を察知したのか、気まずそうな顔をするAさん。
一虎くんはぽん、とAさんの頭に手を置いた。
「なんでもねーよ。てか、呼び出されたから行くぞ。あと、電話出ろよA」
「ごめん、置いてきてたみたい。」
「アホ」
「うるさい。…千冬くん、すごく楽しかった。またね！」
こんなに軽く言い合いできる仲が、羨ましい。
ジェラシーを感じながら、俺はAさんに近寄る
「…俺も楽しかったっス。また今度。」
うん、と頷きAさんは手を振る。
一虎くんとAさんのテリトリーに、俺はまだ入れない。
けど、それでも。
意識して貰えるように頑張るしかねー
▫
場地さんと一緒に帰った後、俺は脱力して畳に寝転んだ。
スマホを取り出してアルバムを開く。
ブレッブレの写真たちの中に、1枚だけ綺麗なのが残っていた。
「あ…」
『この加工かわいい笑』
Aさんの声が脳内で再生された。
ふ、といつの間にか笑みを漏らしていた。
犬の加工がAさんに似合ってて、かわいい
隣にいる俺はやっぱ似合ってねえけど
…今度場地さんとも撮ろ
にしても、写真の中の2人距離近すぎだろ。
写真の中にいる過去の俺にまで嫉妬する始末だ。もうどうしようもねぇ
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←かぶり
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はちみつぷーさん(プロフ) - Miyumiyuさん» 初コメ嬉しいい･･･！ありがとうございます、モチベ上がりました！頑張ります！ (2022年4月8日 15時) (
レス) @page1 id: 602bf9e950 (このIDを非表示/違反報告)
Miyumiyu - めっちゃ面白いいいいいいい！千冬可愛いですねえ！更新楽しみにしてます＾＾ (2022年4月8日 14時) (レス) @page8 id: d2d5035906 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はちみつぷーさん | 作成日時：2022年4月7日 18時
