校則違反

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『目つぶって』





メイクをされてるってのはわかってるけど、いくらなんでも距離が近すぎてドキドキしてしまう。





『ちょ、動くな』





少し離れようとすると頭に手を回されて固定された。



この体制…………キスする前みたいじゃん……





『目開けて』



「っ/」



『顔真っ赤じゃん笑』



「だって！近いもん！！」






ふは、と笑われるからなんだかすごく悔しい。





『できたよ』






ぱっと鏡を前に出されて、そこにはいつもと違う自分が映った。




ナチュラルメイクなんてしたことなかったから新鮮で、こんな自分見たことなかった。







「すごい……」



『……そっちの方が似合ってる』





なんて髪をくしゃくしゃしながら言うから変に照れてしまう。





ナチュラルメイクでもやってける……？






「わたしこっちの方がかわいい？」




『……まぁな』




「じゃあ明日からナチュラルにしようかな！」







自分でもちょろいってわかってるけど、やっぱり褒められたら嬉しい。




今まであんまり褒められたことないから……






『じゃあ今日はここまでね』





最初は憂鬱だったけど意外と楽しくて、明日も行こうと思えた。




なんでなんだろう……




さよなら、と手を振るといつもよりも笑顔で振り返してくれる瑞稀。





わたしやっぱり褒められたのが嬉しかったのかな……

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