06.崩壊 ページ8
現地に着いたのは要請から1時間経った頃で、《羊》の家は前に見た頑丈さの見る影もなく崩れて至る所から煙が上がっていた
家を囲むように立つヒーローたちと対峙して立つ小柄な人影に舌を打った
｢……どういう状況ですか｣
｢イレイザーヘッド！！要請を送った後、人質にされていた子供たちが一斉にあの子供に飛び掛ったんです！｣
｢！？その子供たちは？｣
｢あの子供にやられました。全員が一撃で苦しむこと無く、笑顔でお礼まで言って……｣
あいつらはわざとあいつに殺してもらいに行ったのか
信頼に答えたあいつの心情は計り知れないが、残っている子供たちとあいつの保護が優先だ
｢で、今は？｣
｢一度あの子供が屋内に引き返してから暫くして建物が崩壊。それと同時に操られていた子供たちは気を失ってあそこに｣
指差された先には10人ほどの子供たちが瓦礫に背中を預けて座り込んでいた
あいつの立ち位置は子供たちをヒーローから護るものだった
｢…分かった、俺が出る｣
｢ですがあの子供も操られている可能性が…！｣
｢尚更俺が行かなきゃダメだろ｣
何故か引き止めてくるヒーローを押し退けて満身創痍の子供と向き合う
中也はまるで、いや、正に手負いの獣だった
全身を血に染めつつもその瞳はこちらを見据えてギラギラと鋭く光り、今にも飛びかかってきそうな程だった
｢もう大丈夫だ。俺がいる。だから、お前がこれ以上傷つく必要は無い｣
荒く息をする中也は俺の声が聞こえていないようで警戒したままだ
｢い、イレイザーヘッド！やはりあの子供は操られていますよ！"無個性"の子供たちを
捕まえる？どういうことだ。まさか…
｢……っは？お前、今…｣
｢こ、これは言葉の綾ですよ！！｣
｢…やっぱり手前もか。っはぁ、くそがっ！！｣
慌てて訂正するヒーローに中也の殺気が溢れた
一歩でも歩けば死ぬと思わせるほどの重く、鋭い殺気に俺以外のヒーローが白目を剥いて気を失った
それは横にいる奴も例外ではなく、ガクリと崩れた瞬間に捕縛布を巻き付けた
｢おい、大丈夫か……！？しっかりしろ！！｣
振り返るとぺしゃりと地面に倒れ込んでいた
慌てて抱き抱えると辛うじて息はしていたが見るからに重傷で、一刻を争うのは明らかだった
｢死ぬなよ…っ！！｣
信頼の出来るヒーローに《羊》のことを頼み、中也を抱えて出来るだけ揺らさないようにかかりつけの医師の元まで走った
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クロノト(プロフ) - 夢主男の子？女の子？ (2022年9月10日 10時) (
レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - 面白いです！この話気に入っているのですが、もう更新されないのでしょうか？迷惑だったらすみません。 (2020年7月15日 11時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - チョコ味の白兎さん» コメントありがとうございます。返信が大変遅れてしまいました。すみません。自己満足の小説ですが、好みと言っていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします^^* (2019年9月21日 12時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ユキさん» コメントありがとうございます。返信が大変遅れましてすみません。応援ありがとうございます。嬉しいです。これからもよろしくお願いします^^* (2019年9月21日 12時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ムゥクさんさん» コメントありがとうございます。そうですね、題名にもある通り少女なので中也は口調はそのままで女の子になってます。これからの展開を考えてわざと文章には明記していませんでしたが混乱させてしまい申し訳ありません…これからもよろしくお願いしますね^^* (2019年3月29日 8時) (レス) id: 768cad872d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2019年3月6日 16時
