09.契約 ページ11
イレイザーヘッドの言った言葉が理解出来ない
いや、言われていることは分かる
｢…俺が、ヒーローに？｣
｢……ああ。ヒーロー協会からお前にヒーローにならないか、という提案だ｣
イレイザーヘッドがなんて事ないように言うが、俺の頭から下ろされたその手は白くなるまで固く握り締められている
そこから察するに、これはほぼ強制的なもの
断れば身柄を拘束か、悪ければ処分だろう
｢いいぜ。なってやるよ、ヒーロー。拘束なんざ御免だ｣
｢！…分かってたか｣
｢そりゃあな。あんだけ暴れてこれで済んでんだ。感謝するよ。ありがとな、イレイザーヘッド｣
恐らくだが、目の前にいるこの男こそが俺の処分が軽くなるように奔走してくれていたんだろう
断ればイレイザーヘッドにも処罰があるかもしれねェ
｢お礼を言われるようなことはしていない。俺はヒーローだからな、困ってる子供を助けるのは当たり前だ｣
軽く目を見開いたイレイザーヘッドだが、ふいとそれから目を逸らしてポリポリと頬を搔いてそう言った
｢それでもだ。俺たちを助けてくれたのはアンタだろ？だから受け取ってくれよ｣
｢……はぁ。分かったよ。
溜息を吐いたイレイザーヘッドが頭を掻きながら書類を俺に渡した
｢これは？｣
｢契約書みたいなもんだ。お前を拘束しない代わりにヒーローになるっていうな｣
｢へえ？俺が不利になるモンがあったら拒否していいんだよな？｣
｢当たり前だ｣
イレイザーヘッドに聞きながらも俺の目は書類上の文字をなぞっており、おかしい所は書き換える
｢ん、書いたぞ｣
｢ん……よし。お前の保護者は俺がすることになった。まあ、元々そのつもりだったんだがな｣
｢あいつらはどうなる？｣
｢施設をつくるよ。《羊》と未来の《羊》のための家だ。ヒーローも今回は流石に危機感を覚えたらしいからな｣
はっ、と嘲ったイレイザーヘッドがそう皮肉った
それから俺にどうすると聞いてきた
｢俺はアンタが嫌じゃなけりゃ、一緒にいたい｣
｢いいよ。俺は相澤消太、よろしくね｣
そう言って差し出された手を俺は握った
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クロノト(プロフ) - 夢主男の子？女の子？ (2022年9月10日 10時) (
レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - 面白いです！この話気に入っているのですが、もう更新されないのでしょうか？迷惑だったらすみません。 (2020年7月15日 11時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - チョコ味の白兎さん» コメントありがとうございます。返信が大変遅れてしまいました。すみません。自己満足の小説ですが、好みと言っていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします^^* (2019年9月21日 12時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ユキさん» コメントありがとうございます。返信が大変遅れましてすみません。応援ありがとうございます。嬉しいです。これからもよろしくお願いします^^* (2019年9月21日 12時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ムゥクさんさん» コメントありがとうございます。そうですね、題名にもある通り少女なので中也は口調はそのままで女の子になってます。これからの展開を考えてわざと文章には明記していませんでしたが混乱させてしまい申し訳ありません…これからもよろしくお願いしますね^^* (2019年3月29日 8時) (レス) id: 768cad872d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2019年3月6日 16時
