それは即ち、 ページ22
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カンパーイ
ようやく一息ついた一行は、疲れた様子で各々酒を流し込んだ。店について既に30分は経っているのに、なぜ今さら乾杯なのか。
新堂が選んだ店は、文句なし雰囲気のいい居酒屋だった。
しかし、無駄にガタイと外面のよい男女は、酷く目立っていた。通されたボックス席は、おまけ程度に簾で周囲から見えないようにはされていたが、この悪目立ち集団には微塵も効き目がなかった。
降谷赤井は当然女性の目を集め、
新堂ジョディは言うまでもなく男性を虜にし、
キャメルはがっしりすぎる体つきに興味本意の視線を向けられ、
風見は完璧におまけ状態だった。
収拾がつかないと降谷が店員に席を変えてもらい、完璧な個室になったことでようやくこの一杯である。
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赤井、ジョディ、キャメル、
降谷、風見、新堂。
この順に座った一同は、ある特定の人物に引っ張られ、お酒をハイペースで開けていく。
あっという間にキャメルの顔は青くなり、風見は限界を迎えてテーブルとご挨拶をし、ジョディが喋り上戸になったころだった。
『ほんと、風見もキャメルさんも弱いね』
「飛び抜けた酒豪が言うな」
断トツで飲み進めている新堂に、降谷が言った。
『この才能に拍車をかけてくださったのは皆さんですけどね〜』
飲み会＝楽しい、という方程式を立ててしまったことを今さら後悔しても遅いが、降谷は考えずにはいられなかった。
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風見を挟んで降谷と会話する新堂を見ていた赤井は、灰皿を引き寄せて胸ポケットに手を伸ばした。
隣で話し続けるジョディは、最初は新堂たち公安に話しかけていたが、途中から相手にされていないと気づいたのか。うんともすんとも相槌を打つことはないが、途中で話を遮ることもない赤井に向かってベラベラと語りかけていた。
今の今までこそ、酒でそれをかわしていたが、やはり煙草が無いとどことなく本調子がでない。
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作者名：ハル | 作成日時：2021年9月16日 19時
