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『って言う方が
真剣だった声色が、一瞬にして明るいものになる。
『私なんかが冗談で言うより、降谷さんが言った方がよっぽどみんな信じるでしょ?降谷さん、私のわがまま聞いて誤魔化してくれるの得意じゃん、だからっ−‥‥』
ツーツーツー
聞こえてくるのは無機質な電子音だけ。
Aはまだ何か、言葉を続けていたが、降谷は電話を切った。
男がグッと唇を噛み締め、両手で顔を覆ったのも
女がディスプレイに映る男の名前を愛しそうに撫でたのも
誰も知らない。
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翌朝ー
酷く痛む頭に、やけに冷静になった降谷は、Aにメッセージを送っていた。
降谷昨夜はすまなかった
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何時間経っても、何日過ぎても
それが既読になることはなかった。
桃原Aの番号は、協力者リストから抹消された。
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作者名:ハル | 作成日時:2021年9月12日 0時