【完】一 目 惚 れ さ れ ま し た【JM】

06 - まさか ページ6

△「Aちゃーん、料理お願いしますー」






『はーい！』






外から名前を呼ばれ、慌てて鏡から顔を離した。





先輩に頼まれた料理を運びながらぼーっと思い浮かべたのは、とある夢小説サイト。





いつもそこに載っている夢小説を眺めては妄想に浸っているけれど、大体出てくる夢主は、美人で万能で、美肌で美白で頭脳明晰で運動神経抜群で…それで誰からも愛されて…。




言ってて悲しくなるような差だ。






ちなみに私は、身長はともかく体重が軽すぎる設定が苦手だ。





あんなん足、爪楊枝だ、爪楊枝。


拒食症でもない限りあんな体重にはならない。






『お待たせ致しました、エビのチリソースのハーフサイズでございます』









ガーデン席にいたお客様に料理を運び終え、また一番奥の敦煌の部屋に戻る。









部屋の中からは騒がしい韓国語が沢山聞こえてきて、なんとなく勉強になるかなー？なんて思いながら聞いていた。




そこでふと気になったのが、1人の青年？の笑い声。
なんか…ひゃっひゃっひゃ、みたいな、私にはゆかりのありすぎる窓を吹くような笑い声。






しばらく考えて、思考停止した。






まさか、嘘でしょ？今この敦煌にいるキム様御一行って、……BTSだったりする？いやいやいやいやそんなまさか！





△「Aちゃーん、料理できてるよー」







『はｯ……はーい』








私は首をブンブン振って浅はかで愚かな考えを忘れようとした。

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