鶴さんの部屋(1回目) ページ6
「君、倒れてたけど何していたんだ?」
『厠から帰ろうとしたらお化けに会って・・・気絶してた』
「また光坊に怒られるぞ?近侍か他の刀剣付けないと」
『みつぼう?美味しそうな名前だね、誰?』
「・・・・・・燭台切」
『・・・・・・』
みっちゃんって光坊って言われてるんだね。
「・・・全く君と言うやつは」
『こんな夜に刀剣様呼べないよ・・・近侍でも誰も』
「君はまだここが危険ってことが分からないようだな」
刀解された刀剣がうようよしてるんだぞ?
と鶴さんは付け加える。
確かに、夜・・・よく襲われる気がする。
後を付けられている気がする。
『いや、だって寝てる人を起こすなんて・・・出来るわけないだろ』
「俺は別にいいぞ、君が驚く顔をぜひ見たいからな」
『いやそれ本音だろ』
「それに、君を守ってやれる」
『・・・・・・いーや、守らないね、分かるもん顔で。ワクワクしてんだろホントは!』
そんなカッコイイ台詞を言ったって俺には無意味なのだ。
顔がそう物語っている。
「な、なんてこと言うんだ君は!酷いな!」
鶴さんはカッコイイ。
けど中身が詐欺。
俺は顔で詐欺られそうになった。
軽くオレオレ詐欺のように詐欺られた。
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月26日 22時