謎の物体調査 ページ49
審神者が必死になって謎の物体調査をしていると。
｢ラン、ラーララ、ランランラン。ラン、ラーララ、ラン。ラン、ラーララ、ランランラン。ララララ、ランランラン。｣
という声が聴こえてきた。
誰だよ。肝試しにナ〇シカ歌ってる奴は。
｢んー･･･主さんはこんなおでん商店街で驚くのかな･･･｣
左の壁の向こう側から小声で暇そうに言ってる声の主、堀川くんは一生懸命何も見えない状態なのに謎の物体と闘っている主の目の前で語っている。
『･････････』
何だかボクシング選手で避けていた自分がバカバカしい。
それどころか仕掛け人用の壁の向こう側で必死に変な動きをしていたのかと思うと恥ずかしくなってきた。
『･･････』
｢ラン、ラーララ、ランランラン。ラン、ラーラララン。ラン、ラーララ、ランランラン。ララララ、ランランラン･･･てってってってーれーてってれー、れってってってーれーてってれー･････あ、そうだっ！！！｣
『ひっ･･･！』
暇そうにナ〇シカを歌う堀川くんは何かを思い出したような声を上げる。
それが小声でも洞窟のため響くのだがそれだけで審神者は肩を震わせる。
堀川くんの方に向けていた視線を大根の方へと向けるといつの間にか違う物体に変わっていた。
｢カネさんから貰った玩具でも使ってみようかな･･･｣
『うひぃ･･････？！』
目の前に下げられた物体は動いており先程の物体とは違うのが分かる。
食べ物じゃない。
パチッとライトの音と光と共に物が浮かび上がる。
目が合ったのはクモの玩具。
『う"ぁあ"ああ"あ"ああっ！ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！！！！』
腰を抜かした俺は床に尻もちをつく。
『クモォオオオオオ！！！やめろっ、動くなっ！動くっ･･･やめっ！』
ライトで当たっている玩具を締めているヒモが揺れる。グワングワンと。
楽しんでいるのだろうか。彼は。
だとすると彼は。Sだ。S所ではなくドSだ。
『クモが動いとる･･･まだ動こうとするのか･･･みろ、吾輩。見れば見るほど可愛いではないか･･･ほら･･･』
チョンと玩具をタッチすると
ガシャガシャガシャ！！と脚が動く。
めっちゃ動く。
『ひぎゃぁああああああっ！ごめんなさぃい！申しませんんんん･･･』
ガシャガシャガシャと鳴り響く音を聴きながら堀川くんのくす笑いを耳にした。
｢･･･ふっ･･･ふふ･･･ふ･･･｣
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年7月26日 22時
