今度の審神者は超怖がりでした《与》 (ページ44)

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思わぬ壁ページ44

『いっ･･･てて･･･』

かなりの高さだったためか上手く受け身が取れず背中から落下した。
辺りを見渡すとまた先程と同じ内見が広がっていた。
道も広くて奥からは夏でも寒く感じるような冷たい風が吹いてきていた。

チュー･･･。

『うひっ･･･なんだ、ネズちゃん(ﾈｽﾞﾐ)かよ･･･』

ビックリさせんなよ･･･と思ったが多分ネズちゃんも驚かせようとして来たわけじゃない。
たまたま鉢合わせただけ。
とりあえずマヨトシ(ぬいぐるみ)を抱え奥へと進む。

『あれ･･･行き止まり？』

確かに奥に進んできたはずなのにもう壁があった。
振り返ると結構遠くの方にスタート地点が見える。

『え･･･やだ･･･嘘だろ･･･？』

一旦スタート地点に戻ってみる。
････････････。
あれ？可笑しいな。
壁からはスタート地点が遠いぞ？
なんでだ？怖い。

『･･････っ』

またスタート地点から壁に向かって歩き出す。
するとやはり壁にぶつかる。
･･･けど壁をさわさわして確かめてみるとどうやら壁では無いということがわかった。
･･････え？壁じゃない？

恐る恐る顔を上げるとそこには･･･。

でっかいナマハゲがいた。

俺と目を合わせたナマハゲはｰｰｰｰ。

《ぐぉおおおおおおお！なぐごはいねぇえがァァァ？！》

『ぐぁあああぁあぁあああぁあっ！！！！』

物凄い声が響く。
むちゃくちゃに響く。
ナマハゲに負けないぐらいの断末魔を上げる審神者。
マヨトシの顔が変形するぐらい力を込めて抱きしめる。
ズゥゥン･･･ズゥゥン。
まるで巨人の様にナマハゲは歩く。
その大きさにビックリして今年何度目だろうか。

俺は意識を手放した。