反省会 ページ39
『だから･･･泳げないって言ったろ･･･無理なんだって俺には』
気絶から目を覚ました俺はカネさんさんがみっちゃんに怒られている隣で怒っている。
｢悪い･･･その･･･ムキになってしまって･･･｣
｢海に人を投げ飛ばすなんて聞いたことないけど！？｣
｢主が･･･俺に嫌がらせを･･･カエルを･･･肩に･･･｣
｢主が悪いじゃん･･･｣
『･････････ごめん』
俺はヒリヒリする火傷跡を抑えながらそっぽを向く。
体育座りで日頃は見えない真っ赤な焼け跡を擦る。
｢･･･俺に謝るなんて主らしくねーな！｣
『･･････ごめん』
ポロポロと涙が出るのを隠してその場を離れる。
動かない右半身を引きずりながら。
怖くなってしまった。
恐怖心が出てしまった。
やらかしたことは分かってる。
怒らせたのは分かってる。
嬉しかったのだ。誘われて。
上手く嬉しさを表現出来なかったからあんなことをしてしまったのだ。
｢おーい･･･おい！｣
おーいお茶！みたいな感じで呼ばれる声。
｢主！｣と呼ばれる声も無視してしまった。
｢ちよ、待って！どこ行くの！？｣
みっちゃんに止められ避ける。
また遮られ避けるの繰り返し。
『帰る』
｢は？えっ･･･？！｣
『泳げないから帰る』
｢待って･･･待って！帰るって･･･なんで？｣
『泳げないやつが居たって意味ないし･･･カネさんさんに悪いことしたし･･･』
｢彼ならもう怒ってないよ･･･というかしょぼんってなってるし｣
みっちゃんの見る方向へ目を傾けるとしょぼくれた大型犬が俺を見ていた。
『･･････』
｢ほら、行ってあげなよ･･･仲直りしておいで｣
『いや、もっとほっときたくなったw』
｢えっ｣
しょぼくれた大型犬を更にほっておくのだ。
謎の俺のS心が働く。
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年7月26日 22時
