今度の審神者は超怖がりでした《参》 (ページ35)

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逃走中③ ページ35

｢待てぇええっ！主さんんんんん！｣

ガクリとあの後倒れたカネさんさんを残して涙を溜めた堀川くんが全力ダッシュをしてくる。

『誰が待つか！待ったら捕まるから待たない！』

カネさんさんはもう1人の国広さんに預けられている。
が、よく見たところ山伏さんはカネさんさんを廊下に放ったまま、近くの廊下をフキフキしている。
余程廊下の拭き掃除に熱心のようだ。
感心感心。

｢何してるんだいぃいいい！主ぃいいいいいい！｣

『げっ！出たラスボス！！』

｢げっ！とは何だ？！げっ！とは！｣

とか言いながら目の前に現れ、大声で俺を呼び更に、一緒に走ってくる鶴さんことラスボス。

『すまない、今勇者は逃走中でな。悪いがラスボスは堀川くんという魔法使いを止めてきてくれないかっ！今すぐにだ！10分！頼む！ラスボス！』

｢よぉっし！分かった！勇者、主の為ならばこの｢らすぼす｣が止めてきてやろう！｣

『すまない！！』

俺はそのうちに逃げようとさらに距離をとる。
･･････が。
後ろから物凄い音のドドドドド音と悲鳴が聴こえてきた。

｢･･･おおおおっ！待て待て魔法使い！君の目的はあの勇者だろう？！｣

『！？』

何と！貴様！俺を売る気か！？

｢主！10秒だが、止めてやったぞ！｣

『10秒？！10分っつっただろ！！』

10分と10秒は大違い。
堀川くんはまがまがしいオーラをまとい物凄い形相で走ってくる。