今度の審神者は超怖がりでした《弐》 (ページ27)

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主、風邪を引く③ ページ27

｢主殿！頼みたいことがある！｣

『･･････？』

首を傾げると目の前にいる山伏さんは真剣な顔でこう言った。

｢拙僧に、貴殿の筋肉を見せて貰いたい！｣

多分、服を脱いでください･･･という事だろう。
悪いが見せる訳には行かんのだ。見せたら･･･見せたら醜い火傷跡が･･･。

『･･･嫌です』

もう弱々しく掠れた声で断った。それもキッパリ。

｢ならば、我らが貴殿の服を脱がせｰｰ｣

サッ！

｢どうされたのでございますか？主殿｣

触られたくないので避けると鳴狐さんのお供様が反応。筋肉どころか火傷跡は･･･ちょっと。
筋肉ないし。

『身体、拭かなくていいですから･･･自分で拭きますから･･･』

｢なんと！それでは拙僧達の仕事がなくなってしまう！何とか･･･何とか貴殿の筋肉を見せて頂きたい！｣

この人、脱がせるってより筋肉を見たいだけだよな。残念、俺には貴方ほどの筋肉がございませぬ。

『触っちゃだめ･･･あ･･･鳴狐様っ！』

鳴狐の本体様が俺の服に手をかけた。

｢心配しないで･･･大丈夫･･･だから｣

『･･････はい』

脱がされた途端その身体に突き刺さる目線が嫌でそっぽを見てしまった。

｢･･････｣

『み、醜い身体だったので･･････神様には見せられなかったのです･･･はい』

｢･･･今は理由、聞かない｣

鳴狐様はゆっくりと身体を拭いてくれた。

｢おぉ、拙僧も拭かせて頂くぞ｣

『･･･どうぞ』

それ以上お二人はこの身体について何も言わなかった。楽しい話をして落ち着かせる気なのかずっとお供様の油揚げと山伏さんの筋肉についての話をしていた。