今度の審神者は超怖がりでした《弐》 (ページ25)

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主、風邪を引く① ページ25

『っ･･･頭痛い』

朝から頭痛くて起き上がれないAです。これはとうとう来たのかも。夏風邪という恐ろしい病が。

『だるいし重いし･･･身体･･･アツい』

重い体を引きずって窓を開けようとするA。
頑張れ、頑張るんだA。ここで諦めたら･･･涼しい風がお通りになれない！

『迷惑･･･かけれないしなぁ･･･』

みんなして俺を心配するから逆に悪意を感じてしまう。保護者か、みな、俺の保護者かっ！

『げほっ･･･げほげほっ･･･』

休まずずっと動いていたからか疲労も凄かった。刀剣様のために走り回り、家事はやるわ、畑は回るわ、暇そうな顔をしている刀剣様の稽古としての相手をするわで休む暇は殆どなかった。
話してくれるのが、優しくしてくれるのが嬉しくてこんな行動をしてしまっているのだが･･･。

『･･････朝餉、食べるの却下しよ』

そろそろ清光が来る頃。近侍だからって言って毎朝起こしに来てくれるのだ。それよりも早く起きているのが日課だけど。

『んー･･････』

審神者の部屋から出て数歩のこと頃に階段がある。
それをゆっくり降りようとして脚を下ろしたはずなのに下ろした先には階段がなかった。

『あれ･･･？』

ずるっ！ダンッダンッダンッダンッ！ドサッ！

本丸中に響く音がする。

『･･･がぁッ』

重く上手く言うことを聞かない身体は受身を取らずにそのまま落下した。

『ッ･･･てて･･･あ』

｢主！何してんの！？大丈夫？｣

重い体をゆっくりあげた先に清光様が降臨なさっていて。心配そうな顔で俺を見つめていた。

『階段から･･･落ちた』

｢き、気をつけてよっ！お、俺が何時も迎えに行くから･･･！動かなくていいからっ！｣

『んー･･･きよみつぅ』

｢な、何？なんか痛いとこある？｣

『･･･ご飯･･･今日食べれない･･･から』

よろしくとグッ！と親指を立てると更に心配そうな顔で一喝する。

｢ダメっ！食べなきゃダメっ！今日は燭台切が作ってくれた朝餉だよ？みんな主が来ないと食べないからダメっ！｣

『･･････主、風邪ひいたかも』

｢風邪っ？！なんで？あんなに元気だったのに？あわわ、どうしよ･･･｣

『おち、つきなさい･･･清光。ワシはまだ死んでおらぬ･･･まだ百千年も生きていけるのだ･･･』

｢主が壊れたっ！主っ！｣

『壊れておらぬ･･･』

清光は俺を抱いて物凄い勢いで朝餉の部屋に走っていった。