今度の審神者は超怖がりでした (ページ23)

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主、石になるページ23

清光side

｢大変だ！主が倒れた！｣

そう言ったカネさんがすらいでぃんぐして俺の部屋に入ってきた。

『･･･なんで？』

｢鶴丸国永が･･･驚かせて･･！｣

『･････････』

出た、鶴丸国永。ビックリジジイと呼ばれる真っ白な刀剣。驚かせるのが大好きな変わり者だ。
主にとっては弱点となるだろう彼は、やっぱり新しい審神者が来たというウズウズ感でやってしまったのか。

『おーい、主～？』

｢････････････｣

現場に向かった俺は固まる主に声をかける。返答なし。やらかした犯人は逃亡中で今燭台切が追いかけてるらしい。

｢えっと、声も出さなくてガッカリしたらしいですよ｣

と、五虎退。あのビックリジジイは今度の審神者が怖がりだと言うことを知ってさぞかし嬉しかったのだろう。

『多分、驚きすぎて声にも出なかったんだと思う』

主は石のように固まっている。つんつんほっぺを触っても、引っ張っても効果なし。

｢全く、鶴丸さんは懲りないね･･･｣

｢鶴丸の旦那は驚かせるの大好きだからなぁ｣

石切丸と薬研が呆れたような顔をして主を見ている。

｢鶴丸さん！主に何してくれてんの！｣

｢い、いやぁ･･･今度の審神者は俺を驚かせてくれるのかなって･･･。待て待て待て！待ってくれ！悪気はないんだ！｣

｢悪気があったからやったんでしょう！主あんなんになって！どうしてくれるの！｣

｢あんなに驚くとは･･･計算外だったんだよ！だって今までの主は全く驚かなかったじゃないか！声にも出ないぐらい驚くとは･･･こっちが驚いたよ｣

確かに、主の前に来た全審神者は全く驚く気配なしだったのだ。でも、悲鳴をあげまくっている事が分かっているのに声が出ないぐらいまで驚かすとはどう言った信念だろうか。

｢俺も目撃したが、夜中の主ではなかったな･･･俺の心臓止まるかと思ったな｣

三日月の心臓が止まるぐらいの光景とは。

｢俺も･･･長い髪で壊れた主とは違って、見た瞬間ヒヤッとしたな｣

カネさんと堀川に挟まれた時に壊れた主は俺も見たけどカネさんが間近で見てヒヤッとする光景とは。

こう話しているさなかにも主はピクリとも動かない。