７話・小さな命 ページ8
実力を示せば、ボンドルドは新たな仕事を教えると長い廊下を歩く。
そして、着いた先はここにはふさわしくない絵本やおもちゃが床に転がっている子ども部屋だった。
部屋の真ん中には女の子がポツンと一人で座っていた。ボンドルドが呼びかけるものの、その子は動こうとしない。
「…やはりダメですね。私では中々心を開いてくれない。そこでA。この子のお世話を頼みたいのです」
Aはただ戸惑った。なぜこんな所に子どもがいるのか。
「黎明卿…これは一体…」
「心を開ける相手がいないと可哀想ですので。そこでAは私やグェイラと違って"まだ"祈手としての姿はしておりませんので怖がられずに適任かと思ったのですが…」
聞きたい答えになってはいない。きっと問い詰めてもはぶらかされてしまうのだろう。
「分かりました。お任せください」
そうして女の子のお世話をすると決まったのだが、極度の人見知りだと思いきや優しく話しかけ続ければ数日も経たないうちにすぐに懐いてくれた。
それをいいことにいくつか気になっていたことを聞いてみた。すると、スラム街でボンドルドに拾われたこと。また、他にも大勢の子供がいたこと。そして…
「わたしね…鼻が良くてあの人から…変な匂いがするの」
「あの人ってボンドルドのことかな？」
「うん。だから、あまり近づきたくなくて…怖い」
変な匂いか。私からすれば何も匂わなかったんだが…匂い以外にもあの見た目なら子どもが怖がるのも当然か。
「…ッお姉さん！お姉さんはずっとここにいてよ！」
突然のことに目をぱちくりさせる。そんな私に構わず少女はギュッと抱きついてきた。
「お姉さんはあの人と違う！だから、お願い！」
この数日で随分と懐かれたものだ。可愛らしく思って頭を撫でていると、ガチャリと開いた扉。そこから現れたのは少女が怖がるボンドルドだった。
「A、今日はここまででよろしいですよ。お世話の方は他の者と交代させますので」
一度、もう少しここにいると伝えようとしたが、既にボンドルドの後ろには交代するであろう祈手が待機していた。
「…分かりました」
抱きつく少女に「ごめんね」と離れようとすると、掴まれた服の裾。不安そうな表情でこちらを見上げてくる。
「大丈夫。また明日来てあげるから」
「本当に？」
「うん、約束だ」
膝を曲げて視線を合わせる。そして、小指を差し出せば小さな指が絡まって互いに約束を交わした。
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ヨモギ餅 - メイドインアビスで1番好きなキャラが黎明卿なので楽しく読ませて頂きました！ほんとに面白くて一気に呼んじゃいました!! (9月18日 23時) (
レス) @page25 id: ba2b3def77 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - 最近ボ��を知って夢探して読んだんですがめちゃくちゃ面白かったです!!こんな面白い作品書いてる人は誰だろう……と思って見たらOmiso様~!!!素晴らしい!!これを期にOmiso様の他の夢小説も読んで見る事にします!! (2023年3月30日 22時) (レス) @page25 id: fd9e8b1b91 (このIDを非表示/違反報告)
円陣はずれ - 度し難い、、が、黎明卿の女体化は少し興味あr(( それとグェイラァァァァ‼︎ (2023年1月7日 23時) (レス) @page25 id: dd75b894fb (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 紅葉夜月さん» コメントありがとうございます！ボンドルドのヤバさを全て出し切りました(笑)グェイラとの関係まで褒めて下さってとても嬉しいです！度し難いボンドルドを最後まで堪能して下さりありがとうございました！ (2022年10月17日 21時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉夜月(プロフ) - ボンドルド卿のヤバさも素晴らしさも全て表現されていて最高でした………！！！夢主を手に入れるためなら暴力も厭わないところやグェイラとの関係も最高です！！ (2022年10月17日 20時) (レス) @page25 id: ad75ac515c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2022年7月17日 0時
