１０話・グェイラ ページ11
Aは、脱出する前にカートリッジの開発に関わることは何としてでも避けたかった。
そして、出来るなら前線基地を出られる仕事を貰えれば…と「しばらくは遺物収拾に協力したい」と申し出たらボンドルドは意外にも了承した。
それなら、そのまま遺物収拾するふりをして地上まで逃げてやろうと思ったが、ことはそう簡単に運ばず、前線基地へ出る際にはグェイラを付けられるようになったのだ。
しかし、幸いにもグェイラはイかれた人格ではなく、かなり人間らしい男であった。砕けた口調でお喋りな彼。勿論、ボンドルドの祈手という時点で警戒していたが、遺物収拾を何回か共にする内に気を許してしまっている自分がいた。
グェイラも最初の頃より軽口を叩いて談笑するくらいの仲を認めてくれていたのだ。
今も深界四層「巨人の盃」のまだ比較的安全といえる場所で二人で腰を下ろしていた。
「いやぁー、本当にタマウガチに対抗できるなんて驚きだわ。いいもん見させてもらったよ。A」
「グェイラ…わざとお前が大声で叫んでおびき寄せたの知ってるからな！」
バシッと大きな背中を叩けば、大袈裟に痛がる素振りをする。
「てて…悪かったと思ってるって。けど、旦那があんたのこと褒めてたからどれほどのもんか確かめたくなって」
「…黎明卿がね。あの人に褒められても嬉しくない」
「またまたぁ。謙遜しちゃって。じゃあ、俺が代わりに沢山褒めようなー。よしよし」
「はぁ！？何すんだ、馬鹿！ちょっ、やめろ！」
自分より遥かに大きいグェイラ。平均的にもこちらが小さいわけでもないのだが、その体格差から時よりこうして頭をぐしゃぐしゃと撫でてくる。
それはまるで子どもの相手をしているように。だが、その手つきはとても優しくて心温かいものだった。
だから、拒絶しようにも出来なくて相手が満足するまで撫でられ続けてしまう。不本意ではあるが。
「ハァ…もう満足したか？それなら五層に帰るぞ」
「そうだな。そろそろ戻らないとな」
よっこいせと先に立ち上がったグェイラは大きな手をこちらに差し伸べた。それがまるで当たり前のように。その親切さがむず痒かった。
その手をAが掴めば、グイッと引っ張り立ち上がらせてくれる。
「なんだかんだ頼ってくれるんだな」
「嬉しいわ」と顔は仮面で見えないと言うのにニカリと笑っているのが容易に想像できて釣られるように笑みがこぼれた。
この人は信頼してもいい。そう思えた瞬間だった。
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ヨモギ餅 - メイドインアビスで1番好きなキャラが黎明卿なので楽しく読ませて頂きました！ほんとに面白くて一気に呼んじゃいました!! (9月18日 23時) (
レス) @page25 id: ba2b3def77 (このIDを非表示/違反報告)
P様さん - 最近ボ��を知って夢探して読んだんですがめちゃくちゃ面白かったです!!こんな面白い作品書いてる人は誰だろう……と思って見たらOmiso様~!!!素晴らしい!!これを期にOmiso様の他の夢小説も読んで見る事にします!! (2023年3月30日 22時) (レス) @page25 id: fd9e8b1b91 (このIDを非表示/違反報告)
円陣はずれ - 度し難い、、が、黎明卿の女体化は少し興味あr(( それとグェイラァァァァ‼︎ (2023年1月7日 23時) (レス) @page25 id: dd75b894fb (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 紅葉夜月さん» コメントありがとうございます！ボンドルドのヤバさを全て出し切りました(笑)グェイラとの関係まで褒めて下さってとても嬉しいです！度し難いボンドルドを最後まで堪能して下さりありがとうございました！ (2022年10月17日 21時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉夜月(プロフ) - ボンドルド卿のヤバさも素晴らしさも全て表現されていて最高でした………！！！夢主を手に入れるためなら暴力も厭わないところやグェイラとの関係も最高です！！ (2022年10月17日 20時) (レス) @page25 id: ad75ac515c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2022年7月17日 0時
