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10話 ページ10

「俺のとこはやめとけ」


てっきり承諾してくれるものだと思っていたから拍子抜けする。


「なんで?何か都合悪いことでもあるの?」

「いや、俺が住んでるタワマンはちょっとな…」


言葉を濁すココに首を傾げるが、すぐに理由が分かりニヤリと口角を上げる。


「ははーん、さては彼女でしょ!」

「はぁ?」

「私に彼女見られたくないんでしょ!別にそんなこと気にしなくていいのにぃー。いっぱい茶化すだけだからさぁー」


肩をうりうりとするとガシッと頭を鷲掴みされて目の前にはにっこりと笑いながらもぴくぴくと唇を引き攣らせてキレているココの顔。

やば、余計なこと言ったかも。


「それはそれでクソ迷惑なんだよ!…ってそもそも的外れなこと言ってんじゃねぇ。彼女なんていねぇーし。俺には金さえあればいいんだよ」

「うわ…それ自分で言ってて悲しくならない?」

「お前も同類だろうが」

「いや違うから」


互いに無意味な口論が続いた後、ココが息をついて私の頭から手を離す。


「ともかく俺と同じところはダメだ」

「えー!なんで!?どうせなら一緒のところがいいじゃん!理由もなしにじゃ納得いかない!」


私が近くに住むのがそんなに嫌なのかなぁ…なんて色々考えてしまいモヤモヤした感情が広がる。

それをどうすればいいか分からなくて「やだやだ!」とひたすらその場で駄々をこねてみる。

すると、ココは顔に手を当てて重々しいため息と共に


「あ゛ー!分かった分かった!たく…仕方がねぇーな。ただ、条件があるけどいいんだな」

「そんなのなんでも構わないよ!やったァァァ!!」


条件がなんだろうといい。心のモヤがすっきりとして途端に笑顔になる。

ココに嫌われているわけじゃなかった。それに、一緒のマンションならこれからもっとココと会う機会が増えてきっと楽しいし!


「それで条件っなに?」


そう聞けば、ズイッと顔を近づけてきてそれはそれは真剣な表情で



「俺の部屋で一緒に住むこと」



「分かった!一緒に住むことね!…って…ん???」

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Omiso(プロフ) - 十六夜夏希さん» コメントありがとうございます!好きだと言っていただけてとても嬉しく思います!また、書き終わってしばらく経った今でもこうしてコメントを頂けること幸せです!本当に最後まで読んで頂きありがとうございました! (2022年4月30日 14時) (レス) @page38 id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - マイキーが春千夜を見放す(?)のって珍しいですね!言葉では表せないくらい好きです。お疲れ様でした!! (2022年4月30日 13時) (レス) @page39 id: cc6ab814ba (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ゆゑるさん» コメントありがとうございます!わわっ!たくさん褒めていただいてとても嬉しいです😊何より貴方様を楽しませられたことが作者にとって一番の幸せです😭本当に最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年4月12日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゑる(プロフ) - うわぁぁぁ!!今読み終わったんですけど、最高ですっ...!作者様の表現の仕方からもう素敵でした😭めちゃくちゃ面白かったです!!!!! (2022年4月12日 1時) (レス) @page39 id: 1d05848943 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - yumuiさん» コメントありがとうございます!隠れ主人公!確かにそういった捉え方もありますね…貴方様の発想に驚かされました。作り手としてしっくりときたお言葉をいただいて嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年3月7日 16時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Omiso | 作成日時:2021年10月16日 17時

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