31話 ページ31
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家の外から車の音が聞こえてバタンとドアを閉める音がすれば、ザクザクとこちらに向かって来る足音。
こんなところ知っている人なんているはずがないのにどうして？知っていたとしても死んだ両親と私だけ…
いや、アイツだ。あのピエロもこの場所を知っている
ドンドン！と扉を叩く音がする。固まっていると聞こえてきたのは意外な声。
「お嬢？九井と一緒にいますよね？三途です」
「春ちゃん！」
この時の私は頭が回っていなかった。
春ちゃんがなんでここが分かったか。ココへの不信感から春ちゃんを優先させてしまったこと。
「開けんな！！！」
叫ぶココを無視してドアを開ければ、太陽の光が差し込む先に春ちゃんが立っていた。逆光でよく見えなくてどんな表情を浮かべているかは分からない。
だけど、一歩踏み出しては家の中に入ってきて見えなかった顔が見えた。優しげに目を細めていてその口元にマスクがなくて
上げられた口角の両側に特徴的な傷跡があった。
「ぇ…その傷…ッ…」
「どうしました？そんな驚いた顔して。あ！オレの素顔を見せるのは初めてでしたね。引きましたか？」
「ぁ…いや…」
眉を下げる春ちゃん。ジッと顔を見ればニコリと優しく笑ってくれる。
私の思い違い？そ、そうだよ！口元に傷がある人だってこの世には何人だっているし。優しい春ちゃんがあのピエロ男なんてわけがない！
「そうだ！お嬢にプレゼント持ってきたんですよ。受け取ってください」
はい、と手に持ってたものが渡された。正方形の大きな木箱。早く開けてと言わんばかりのキラキラした眼差しに蓋に手をかけてパカリと開いた。
そこには顔から下がない古びたピエロの仮面
忘れもしない。殺人鬼が付けていた仮面だ。
釘付けになっていると額に冷たい感触と同時にカチャリとセーフティを下ろす音と同時に下品な笑い声。
恐る恐る顔を上げるとバチリと目が合って。
「もう演技はいらないですね…なぁ゛！？久しい再開に祝福しようぜぇ！！！」
ゆるりと細められる瞳には優しい春ちゃんの面影なんてない。
「じゃあな。くたばれ」
冷淡に告げられた言葉にパンッ！！！と渇いた銃声が鳴り響いた。
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Omiso(プロフ) - 十六夜夏希さん» コメントありがとうございます！好きだと言っていただけてとても嬉しく思います！また、書き終わってしばらく経った今でもこうしてコメントを頂けること幸せです！本当に最後まで読んで頂きありがとうございました！ (2022年4月30日 14時) (
レス) @page38 id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - マイキーが春千夜を見放す(?)のって珍しいですね!言葉では表せないくらい好きです。お疲れ様でした!! (2022年4月30日 13時) (レス) @page39 id: cc6ab814ba (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ゆゑるさん» コメントありがとうございます！わわっ！たくさん褒めていただいてとても嬉しいです😊何より貴方様を楽しませられたことが作者にとって一番の幸せです😭本当に最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年4月12日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゑる(プロフ) - うわぁぁぁ!!今読み終わったんですけど、最高ですっ...！作者様の表現の仕方からもう素敵でした😭めちゃくちゃ面白かったです!!!!! (2022年4月12日 1時) (レス) @page39 id: 1d05848943 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - yumuiさん» コメントありがとうございます！隠れ主人公！確かにそういった捉え方もありますね…貴方様の発想に驚かされました。作り手としてしっくりときたお言葉をいただいて嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年3月7日 16時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2021年10月16日 17時
