14話 ページ14
貴方サイド
放課後を迎えしばらくして開く扉にすぐに駆け寄り
「夏油先輩!五条先輩はどういってましたか?」
「おっと、そんなに焦らなくても。ほら席に座ってゆっくり話そう」
クルリと教室の方へ向かされて肩に手を置きグイグイと押されて席まで連れて行かれる。互いに座れば夏油先輩はニコリと笑い
「やっぱり悟は照れてるだけだったよ」
「嫌がってたわけじゃなくてですか?」
「あぁ、もちろん。ドキリとしたといっていたから間違いない」
「そうですか!よかった…!」
ほっと胸を撫で下ろしていると「まだ安心するのは早いよ」とそっと長い指を口元に持っていき
「三つ目のアドバイス、教えてあげる」
その言葉にかしこまると夏油先輩はフフッと笑い
「香水をつけてみようか」
「…香水?」
「そう、香水をつける女の子は大人びているから好きだと悟はいっていてね。特にこの香水がオススメ」
トンっと机に置かれた香水は全く知らないもの。香水なんて縁もなかった。でもそれより…
「私のために用意してくれたんですか?」
「もちろん。悟と早く結ばれて欲しいと思ってさ」
なんていい先輩なんだろう。やっぱり少しでも疑った私が馬鹿だったんだ。お礼を言えば「言われるほどでもないよ」と首を横に振り
「それよりつけてあげるからここに座って?」
トントンと手を置くのは夏油先輩の膝の上。って…
「いやいや、自分でつけますよ!?」
断るものの「いいから」と腕を引っ張られて座らされる。でも!と離れようとするとシュッシュッと吹きかける音にふわりと漂う香り。
「どうかな?」
「!とても良い匂いです」
これなら五条先輩に振り向いてもらえるきっかけになるかもしれない。
と思っていたのも束の間、香水を吹きかける音が止まない。そのせいか匂いがキツくなって鼻を抑える。
「ッかけすぎじゃないですか?」
「悟は匂いがキツめの方が好きだっていってたからこれぐらいがいいよ」
匂いがキツめの方がいいってあんまり聞かない気がするけど…
「匂いはね、相手の記憶に深く残る印象でもあるんだよ。それなら濃い方がいいと思わないかい?」
「そういうものなんですかね…」
「少なくとも私はそうであるからね」
すると首元に顔を近づけられてスッと匂いを嗅がれる。すぐにパッと首元を押さえて夏油先輩を見るとクツクツと笑う姿。
「しっかりついたね。これで明日悟に話しかけるといいよ。あ、昨日のアドバイスも兼ねてね」
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» 前作でも今作でもコメントありがとうございます!ドロッドロという素敵な褒め言葉、最高に嬉しいです!心情は特に意識しているのでそう言って頂けて光栄に思います!次回作を出せれた時はぜひ応援よろしくお願いします!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - ドロッドロでおっもい(超褒め言葉)好み過ぎる作品をありがとうございました! 前作も読ませて頂きましたが、どちらも心情描写が堪らなく好きです。作者様のペースで新しい作品を作って頂ければ飛びつきます。本当にありがとうございました。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ノアさん» 最後まで読んで下さりありがとうございました!いつもは今までの作品も読んで下さっていたのかな?今作も読んで頂き嬉しい限りです!世界観を味わってもらうよう文は意識しているのでハラハラしたという感想を頂けて大満足です!今後とも応援よろしくお願いします! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - muuさん» muu様!またのコメントありがとうございます!そして最後まで読んで下さりありがとうございました!憧れである貴方様に素敵な褒め言葉を頂けて感涙してしまいそうです(泣)いつも影ながら応援しています!そしてこの作品を応援して下さり本当にありがとうございました! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 虹野原さん» そして貴方様のような素敵な方に読んでもらえて心の底からこの作品を作ってよかったと思います!今後においてまた作品を作る機会では貴方様の応援を糧に全力で頑張ります!本当にありがとうございました! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2021年2月6日 18時