最終話 ページ47
親友が永遠の眠りつくのを見届けた彼はその途端に崩れ落ちる。
そして、自分の隣に立つ彼女の裾に縋り付く。
「ごめんなぁ…ッ…でもこれ以上もう俺は耐えられないんだよ…!大切な存在を失うことも…もう…もう限界なんだよッ!!A…お前だけはずっと俺の側にいてくれ…ッ…!」
それをただ真っ暗な瞳で見下ろす彼女は時間が経つにつれて人間と近い思考を持ったせいかチリッと心を痛めた。
泣き崩れる彼に合わせるように屈みそっと寄り添う。
『わ…かった。ずっと側にいるよ…』
同情から、また夏油から解放してくれた詫びからか自らも彼を呪い、誓った。
親友のために、私のために涙を流す心優しく、壊れそうなこの人を放っておけなかったのだ。
だが、互いの利害の一致の縛りは何よりも強力。
もうこの関係は後先簡単には解けない。
「ありがとう、A…お前と…ずっと、ずっと一緒にいること…約束…離さないから」
彼女は、肩を震わせる彼の背中に腕を回し、呪いから解放されないことを嘆き、涙を流した。
その一方で、彼女を抱き締める彼は肩が震えるほどに
腹の底から湧き上がる笑みに耐えては
あぁ、こんな形で十数年恋い焦がれ続けた想いが報われるなんて思ってもいなかったけど…
「それでもいいか。ハハッ…!」
強く彼女と結ばれた歪んだ関係をきっかけに、拗れに拗れた想いは増幅し
一人の男を愛に溺れさせ、狂わせたのだった。
END2(五条落ち)
______
本当は…
もっと普通に、あの高専で、呪いなんてない世界で、
好きになって、
大好きになって、
愛するようになって、
素直に愛を伝えられたらよかった。
伝えたかったんだ。
今更だよね。ほんと馬鹿だよね。ごめん…ごめんね…
______
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Omiso(プロフ) - てんぎつね。さん» コメントありがとうございます。そう言われて実際自分でやってみたんですけど想像以上に痛いですね(笑) (2021年7月28日 23時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - いや親指は反り返したら痛い (2021年7月28日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - るりさん» るり様、コメントありがとうございます!貴方様のお言葉に嬉しさで胸がいっぱいです!そして、貴方様の作品を読ませて頂いております。今後の更新楽しみにしています!応援ありがとうございます!貴方様にも私からのエールを。 (2021年6月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 最高な作品をありがとうございます。ほんとにその場にいるような臨場感や、細かく描かれる表現方法であっというまに読んでしまいました。これからも作品楽しみにしています! (2021年6月5日 11時) (レス) id: 82fe86bccf (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!読者様がゾクゾクするようなホラー×ヤンデレを感じて頂けていたらと思います!夏油の術式を上手く活かせることを目的にしていたので貴方様の褒め言葉本当に嬉しく思います!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年12月17日 19時