23話 ページ24
恐怖でポロポロと溢れ出す涙。
その涙を見てニヤリと口角を上げる目の前の男。
「あァ、ごめんな？泣かせるつもりはなかったんだ」
そう反省したように口ではいっているが、心のこもってない謝罪だということは分かる。
「そんな気持ちのない謝罪いらない…！それよりもう離れてよ…ッ」
押し倒され、上に覆いかぶさる彼から逃れようとしても力では敵わない。
「なんで？嫌に決まってんだろ。それよりさ、俺の話聞いてくれ」
ニィと笑えばスッと私の涙を拭い取り、ジッとそれを見つめながらうわ言のように話し始めた。
「泣かせるつもりはなかった。だけど、俺はお前を泣かせられて嬉しいんだ。今までお前の日常を見てきて泣いているところなんて見たことなかった。
家族といる時も、友人といる時も、彼氏といる時もお前は常に笑顔だった。
幸せそうだった。
俺の前ではそんな顔しないというのに。
いつもいつも、憎たらしいほどの笑顔。
だからこそ泣くことは初めてだ。そう、俺が初めて泣かせたんだ。
お前の感情の一部を引き出せた」
何を言っているのか分からない。
常に私を見ていた？泣かせられたのが嬉しい？
ゴチャゴチャと考えがまとまらずに困惑する私に対して彼はニッコリと笑ってトントンと私の心臓部分を指し、
「俺はお前の特別になりたい。俺にとってお前が特別であるようにそうでなきゃならない…だろ？」
私にとってこの人が特別になる？
そんなことなるはずがない…ッ…！
「A。俺たちは仲間なんだよ。同じ考えをもった仲間。同志。パートナーだ。こんな奇跡ない。出会ったことない。お前が初めてだ。俺は…俺は…ッ…」
なんて伝えればいい？この気持ちを。ギュッと締め付けられるこの感情を …
そう聞かれるけれどそんなの答えたくもないし、知りたくもない。
「常にお前を見ていたい。常にお前の行動が気になる。常に…お前の瞳に映りたいんだ」
そういうと突然抱き寄せられて、彼の顔が近づく。
反射的にビクッと体を揺れ、目の前には彼の赤い瞳。
その瞳の中に怯えた自分の顔が映っていた。
「あァ、綺麗だ。なぁ、A。お前だけには言えるよ。誰にでもないお前だけに。俺はお前を…」
確かにそう口に開きかけた彼に目を見開いたとき、
「A！！！」
突然大声で私の名を呼ぶ声。
ハッと声をした方へと顔を向けると大好きな勝己の姿があった。
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Omiso(プロフ) - ゆりさん» そして楽しみにしてくださっていたこと深く心から謝罪します。また、ヒロアカの作品を書く機会があれば是非その作品を楽しんで読んでいただけたらと思います。 (2020年6月27日 15時) (
レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ゆりさん» 突然ですが、次回作のリクエストについてお伝えしたいことがありここでコメントさせていただきます。次回作についてですが、ヒロアカではなく他のもので書きたいものができてしまい違う作品を書くことにしました。リクエストに応えられないことをご了承ください。 (2020年6月27日 15時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - りんさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！ゾワッとする場面が貴方様にとって作品の面白さになれていたこと本当に嬉しく思います！実は言うとバットエンドが好みでして…貴方様にはお見通しでしたか(笑)本当に最後までありがとうございました！！ (2020年6月7日 9時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 完結おめでとうございます！ゾワっとする場面が多かったですがそこがまたこの作品の面白さで、とっても面白かったです！！！バッドエンドなのもOmisoさんらしさが出ていて私はすごく好きでした！最後まで本当にお疲れ様でした！ (2020年6月7日 9時) (レス) id: 8a717e60ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - Omisoさん» 楽しみにしています！！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: ea414cb9ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2020年5月4日 22時
