46話 ページ46
貴方サイド
「〜ッ荼毘！！」
そう貴方の名前を叫んで追いかけるとふと振り向き困ったような顔をする彼。
そんな彼に追いついた途端に疲れからか崩れるようにしゃがみ込んでしまう。
それでもやっとの思いで彼の足の裾を掴んで
「…いかないで」
と自分の口からはポロッと震える声でそんな言葉がこぼれていた。
そして、自然と大粒の涙が目から溢れ出す。
そんな私を慰めるように伸びてくる彼の手。
だけど、私たちの周りにいるショートやヒーローを気にしてか…
「幸せになれよ」
たったその一言だけを残し、私に触れることなく下ろした手をギュッと握りしめて彼はパトカーに乗り遠のいていった。
待って、行かないで なんてもう言えなかった。
その光景をただ眺めて、大雨の中ポロポロと何故か涙が止まらない。
そして、ひどくポッカリと空いた心。
「A、風邪引くぞ」
サッと覆う影に雨が途切れて、見上げてみると傘を差し伸べてくれるショートの姿。
うずくまり、黙りこくる私にそっと合わせるようにしゃがみこめば
「足怪我してるな。一人じゃ歩けねぇーだろ」
傘をおいて、自分が濡れることも気にせずにそっと私の膝の裏に腕を通し、そのまま抱き上げられる。
すると、すぐに他のヒーローがショートの上に傘をさし雨が降りかからなくなった。
そのまま黙る私に何一つ文句を言わずに一台の救急車へと向かうショート。
だが＿＿＿＿＿
「〜ッA！！！Aをどこにやったんだ、ゴミどもが！！アイツは俺の…俺のッ！」
大声で喚き、私の名前を叫ぶ声が聞こえる。
そちらに目を向けると、手錠をかけられているにもかかわらず暴れる弔の姿があった。
その様子を見ていると、突然弔がこちらを向き私に気付く。
ニヤリとあげる口角、濡れた髪の隙間からバチリと合う彼の赤い瞳。
「見つけた…」
取り押さえようとしていたヒーローや警察を蹴り倒し、こちらへ向かってくる。
私に手を伸ばし、こちらを見つめる赤い瞳は狂気に蝕まれていた。
その全てから背けるようにギュッと瞳を閉じて身を竦める。
だが、
「大人しく捕まっておけ」
ショートがそう言ったのと同時に弔の足元は凍り、動けなくなる。
すぐさま、弔が手で氷を崩そうとするが他のヒーローに地面に取り押さえられた。
「〜ッ邪魔するな！！」
まだ抵抗をする弔を見ていたけれどショートが、
「いくぞ」
と声をかけてその言葉に静かに頷き彼から目を背けた。
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» わわ、緑の白猫様！今作でもコメントありがとうございます！ヒロアカの小説まで読んでいただけて感激です😭かなり納得した終わり方を書けたつもりなので貴方様からの最高の褒め言葉をいただけてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2022年2月7日 0時) (
レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - はっぴーえんどだ……。私が知っている作者様の中の作品で初めてみたはっぴーえんどだ……! 主人公が初めからちょっと可笑しいのがまた新しく感じ、最終的にヒーロー側につくとはまた違う、正しくはないかもしれないが幸せな道を選んだのが最高でした! (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - あゆりさん» コメントありがとうございます！1番好きだなんて…最高の褒め言葉です！死柄木くんの沼によりハマってしまいましたか。よっし、この調子だ()本当にこの作品を読んでくださりありがとうございました！今後とも応援よろしくお願いします！ (2020年5月16日 12時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
あゆり(プロフ) - 今まで読んできた作品の中で1番好きです！！Omisoさんのおかげで、もっと死柄木くんの沼にハマりました()これからも応援しています！ (2020年5月16日 11時) (レス) id: ce98ce751c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！！本当に嬉しすぎるお言葉に喜びで胸がいっぱいです！また貴方様を楽しませる作品を作れたらいいなと思います！！今後とも応援の方よろしくお願いします！！ (2020年4月3日 7時) (レス) id: 47426ab442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2020年2月10日 22時
