#け ページ2
side Kiriyan
単刀直入に言おう。好きな人にラブレターを渡してしまった。
こうなったのは原因が居る訳で。
.
「Nakamu・・・俺直接言える気しないんだけど・・・」
「直接言えないならラブレターでも書けば？コレなら直接渡さなくても下駄箱とかに入れとけば見てくれるでしょ」
直接言えないのが問題な訳なので、Nakamuの案を飲み込む事にした。
只、やはり好きな人に想いを伝える事には変わりなく、書いてる最中から下駄箱に入れる迄ずっと緊張してしまい、手紙を書く手は震え、手紙を入れようと思っても下駄箱に入れる事に躊躇してしまったりと中々の事故っぷりが見られた。
これでも頑張った方だとは思う。Aさんが俺の事を認知しているかどうかは置いといて。
.
翌日。今日はNakamuと俺以外の四人が、朝練やら委員会の仕事やら日直やらでいつもの時間より早く学校に行った、という事らしいので二人で歩いて登校していた。
「んで、結局好きな人とやらにラブレターは渡せたの？」
「・・・なんとか」
「青春してんね〜！！」
「うるせぇ黙れ」
それから二人で他愛ない話をしていると、いつの間にか学校に着いていた。
昇降口に入って下駄箱を開けると手紙が入っていた。恐らくAさんだろう。昨日のラブレターの返答だろうか。
「お、それ返答じゃない？読め読め！」
「え？あぁ・・・教室行ってからで」
「ほら早く教室行って読もーぜ！！」
「何で俺よりお前の方がウキウキしてんだよ」
Nakamuはラブレターを渡した人の友人とは思えないくらいはしゃいでいた。
喜ぶのは俺だろ。喜べる内容か分からないけど。
もう廊下は全力疾走して階段は飛ばし飛ばしで登ってるし。
俺もそのNakamuに着いていくように少し小走りで教室まで向かった。
「おいきりやん早く来いよ〜！！」
「ちょっと待て・・・疲れる・・・」
朝っぱらからよくこんなに動けるなぁと思いつつも教室に着いた。
Nakamuは早くこっち来い！とでも言うような目線を此方に向けている。
「・・・開くぞ」
.
黄島さんへ
先日はお手紙を下さりありがとうございます。
さて、本題のお返事となりますが、今は保留にさせて頂きたい所存で御座います。
貴方の名前と顔の一致がせず、確認する為今日のお昼休みの13時10分に旧校舎1-4の教室に来て下さると嬉しいです。来れない場合は黄島さんと同クラスに私の友人の伊織 環が居ると思いますので其方に伝えて下さい。
2年3組 樹神 A
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七瀬紫苑(レイピアさん。) | 作成日時：2021年9月25日 22時
