【WT】花天月地【Smile】 (ページ45)

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軈て花火大会も終了し、帰路へ着く。
因みに凛は急用が出来た、との事で花火大会が終わる前に既に私たちと別れて帰った。

笑琉と私以外の5人は、私たちとは方向が違うのでその場で解散となった。

長期休暇になってから笑琉と帰ったり、隣同士で歩いて行く事は無かったので、何故か久しぶりの様に感じる。

『疲れたぁ・・・ねむ・・・』

もう私は眠過ぎて歩きながら寝ているようなものだった。
意識がはっきりしなかったり、寝ぼけてたりするので、私は今酔っ払いの如くフラフラと覚束無い足取りで歩いていた。

『・・・ぉあ？』

「！？」

『笑琉暖かいな〜・・・』

「え・・・！？ちょっと・・・！」

戸惑っている笑琉を横目に、私はゆっくりと瞼を落とす。

side Smile

只今Aと帰っている訳だが、彼女は疲れきっており、半ば寝ながら歩いているも同然だった。
Aの足取りはフラフラしており、今にも家の塀や俺に寄りかかりそうだった。

まぁ、そんな事を思っていたら、案の定Aは俺に寄りかかってきた。

・・・こりゃあ寝ぼけてるな。

間近でAの可愛くて美人で端正な顔がまさかこんな形で見れるとは思っていなかった。

・・・何考えてんだ俺！！
冷静を欠くな。

すると次は俺に抱きついて終いには『暖かいな〜』なんて言って眠りについていた。

これで墜ちない人なんて居ないんじゃないか？

そんな事はどうでもいい。
さて、Aをどうやって家まで送るか。
家までの道のりはまだまだ先。
然りとて、疲れて眠いのにAを起こして歩かせるのは可哀想なのでする訳にはいかない。
流石に家に着いたら起こすがな。

これは必然的にAをおぶるか抱えて行くしかない。
抱えるのは夜だから人は少ないとはいえ、恥ずかしいのでおぶって行く事にした。

暫くして家の前まで来たので、Aを起こす。
・・・が、一向に起きる気配は無い。

こりゃあ爆睡だな。

家の鍵は勿論閉まっている為、Aの荷物をちょっとだけ漁って鍵を探す。

「・・・あった」

鍵を手に取って、鍵穴に通して捻る。
カチャッ、と軽快な音が鳴り、鍵が開いた。

「お邪魔します」

中は勿論暗いので電気を付ける。
さて、Aを何処に寝かせるべきか。
リビングのソファの上は首が寝違えそうだし、然りとて勝手にAの部屋に入るのは気が引ける。

考えた結果、ソファに寝かせる事にした。
彼女の荷物はソファの近くに置き、Aもソファに寝かせる。

「・・・おやすみ」