【WT】花天月地【Smile】 (ページ41)

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今日は夏休み最大のイベントとも言える夏祭りや花火大会が開催される日。
私は凛と回る予定。浴衣は凛のお母さんに着付けしてもらった。

「Aちゃんは元が可愛いから可愛い浴衣とマッチしてとっても可愛くなってるわ！」

『ありがとうございます』

｢A早く行こ！！｣

『はいはい。お邪魔しました！』

「いいえ〜楽しんでらっしゃい！」

凛のお母さんへ挨拶をして、凛の家を後にする。
凛の浴衣は水色がベースとなっており、金魚が描かれている浴衣。
私は紫がベースで、百合が描かれている模様。

「や〜A可愛すぎ！！めちゃ似合う！
・・・あ、最初に笑琉に言われたかった？」

そう揶揄う凛はニヤニヤしていた。
応援してくれている気持ちは誰よりも伝わってくるが、こうやって冷やかすのはちょっとやめてほしいな。

『・・・ばか！！』

「ごめんって」

『・・・でも凛も可愛いよ』

「珍しいAのデレ！これ録音したかったぁ・・・」

えぇなんで？私ツンデレキャラじゃないでしょ・・・

「ツンデレだろうともそうじゃなかろうとも結局可愛い」

『ありがとう』

凛の私に対する溺愛具合が半端ないな・・・

「え〜そう？愛だったらあの人の方が強いんじゃないかな」

私を好いてくれる人なんているのか・・・
でも、その人が笑琉だったら良いな、なんて叶いもしない願いを秘めて、お祭りの会場へ向かう。

会場は勿論賑わっており、老若男女問わず皆々様祭りを楽しんでいる様子だった。
勿論凛も楽しんでいる。主に食い物関係。

「綿菓子と焼きそば食べたい！あとかき氷！」

『食べすぎて道端で吐かないでよ。あ、そんなに走ったら転けるよ・・・』

もう遅い。私が言い終わる瞬間に凛は転けた。
ほら言わんこっちゃないわ。

『浴衣だし下駄履いてるからいつもとは違うんだよ。はしゃいでたら転ぶでしょ。ほら、手貸すから』

「ごめんA・・・」

『お祭りは逃げないから。ゆっくり行こう？』

あ、その前に膝確認しないと。流血してて放ったらかしにしたら傷口から感染症起こすかもしれないし。
凛の手を引いて化粧室へ入り、膝を見せて貰う。

『こりゃあ酷いこと。まず傷口洗ってゴミ落として』

「分かった」

その間に簡易的な救急箱からカットバン、消毒液、ガーゼ、ティッシュやピンセットを取り出して応急手当の準備をする。

洗い終わった様なので、手招きをして此方へ誘導する。

『終わった？じゃあそこ座って』